第2252号 ハンドメイドの素晴らしさを訴求するイベント
2024.02.01
 今年も、2月の第27回手づくりフェアin九州(福岡市)で手づくり関連イベントがスタートする。各地のイベントのなかでも、九州フェアはステージイベントを中心に常に新しい企画を取り入れ、ハンドメイドの楽しさ、素晴らしさを訴求してきた。何より、地元の高校、服飾専門学校、女子短大の被服科などの教育機関を巻き込んでのショーなど、毎回、産学協同の成果を挙げている。 
 業界においては、1月13・14日、東京ビッグサイトで行われた「ハンドメイドインジャパンフェス冬2024」の開幕によって、今年の手づくり関連イベントがスタートした。この後、「手づくりフェアin九州」、「浜松ハンドメイドマルシェ」、「第48回2024日本ホビーショー」(4月25〜27日の3日間、東京ビッグサイト)へと続く。なかでも日本ホビーショーは、47年の歴史をもつ世界最大級のハンドメイド・ホビーの祭典。心豊かな暮らしにつながる商品やサービスを持つ出展者が一堂に集結。ハンドメイド情報を求める来場者はもちろん、ハンドメイドのトレンドや新たな作家・作品を探す企業も多く訪れるイベントとなっている。
 コロナ禍により、2019年から中止、延期が続いた手づくり関連イベントは、2022年その多くがウイズコロナの状況下で3年ぶりの開催となり、動員数の減少など大きな影響を受けた。
 わが国において、百貨店の催し会場以外で手づくり関連のイベントがはじめて開かれたのは、東京や大阪ではなく、京都だった。1979年(昭和54年)に京都市勧業館(現在のみやこめっせ)で開かれ、2日間で1万人を動員した。全国的にも、まったく初めてのことだったので、主催の京都装粧品裁縫雑貨協同組合も、何をどうしていいのか皆目わからない中での開催だった。小間割りもチョークで床にラインを引き、隣のブースとの境界も定かではない、夜店が立ち並ぶ光景が広がっていた。でも幕を開けると、開場前の勧業館前には長蛇の列ができ、入場制限しなければならない程の盛況だった。そして1980年代に入ってOSAKA手づくりフェア、日本ホビーショー、ハンドクラフトフェアinNAGOYAが次々にスタート。
 以後45年の歳月が流れたが、コロナ禍の時期を除いて途切れることなく開催されてきた。
 とりわけ、業界のイベントには、ハンドメイドを通して人が集うことの温かさ、楽しさ、そしてやさしさをアピールする力があり、多くの手づくりファンを魅了し続けてきた。展示会の持つパワーは業界を支えるひとつの柱となり、その価値はこれからもますます大きなものとなっている。
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第2251号 大きな成長を遂げる年「辰年」が巡ってきた
2024.01.15
 毎年のことながら、年の初めの元旦は家でゆっくりと過ごす。今年も、午前中に大阪天満宮への初詣でを済ませ、何をするでもなくゆっくりと家で寛いでいた。夕刻に差しかかる頃、前触れもなく部屋が揺れ始めた。左右にゆらゆら、揺りかごのように揺れる。立ち上がるでもなく、揺れに体を委ねる。結構、長い時が流れて揺れは収まった。テレビをつけると、震源地は北陸、震度7とテロップが流れる。「元日から地震か」という程度の認識だったが、のちのち大きな地震だとわかってくる。ともかく、元日と地震が頭のなかで結びつくのに時間がかかる。とりあえず町の様子を見るため外へ出る。車もほとんど走っておらず、静かな元日の風景が広がっているだけだった。
 少し波乱含みの年明けとなったが、今年2024年は一体どんな年になるのだろう。干支でいえば「辰」で、基本的にいい年になるという。辰は別の漢字で「竜」、「龍」とも書く架空の生き物である。十二支のなかで唯一、実在しない生き物が「辰」。実際の生き物ばかりの十二支になぜ「辰」が入ったのかその理由は諸説ある。中国では「龍」の漢字がワニの意味を持ち、最初はワニが十二支に入っていたことも一説とされている。
 辰は昔から神聖な生き物としても崇められ、現在も縁起がよいものといわれている。ちなみにスマートフォンの待ち受けを「昇り龍」にすると開運につながると、物識りの知人が言っていた。そんな縁起のよい辰の年は、陽の気が動き、万物が振動する年、活力旺盛になる年、大きな成長を遂げる年といわれている。
 ほかにも辰(龍)は権力や隆盛の象徴で出世、躍進などが期待できるという。2024年は甲辰(きのえたつ)。これは陰陽五行説で「甲」は草木の成長を表し、勢いが増すという意味を持つため、今年はこれまでの努力が実を結ぶ、願いが成就する年になりそう。ちなみに過去の辰年を振り返ってみると、1964年の東京オリンピック開催や東京モノレール開業、東海道新幹線開業、太平洋横断ケーブル開通、1976年の初代マイクロコンピューター発表など、新しい技術が実を結んだ年だった。これらを踏まえると、今年は最新技術を駆使した画期的なもの、サービスの登場が期待できる。
 2024年、日本経済はどうなるのか。ゆるやかな回復が続くという見方の一方で、人手不足問題、高齢化社会の影響、若者の職業選択の偏向、パンデミックが引き起こした急激な変化、労働時間の上限規制など法制度の変化により、あらゆる業種が従業員の不足に直面する年となりそうだ。
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第2249・50号 2023年も色々ありました
2024.01.01
 本原稿執筆時点で、今年も残すところあと10日余りとなった。新型コロナの「5類移行」にともない、4年ぶりという言葉があふれた1年でもあった。昨日(12月20日)の夜に乗ったタクシーの運転手さんによると、今年は忘年会帰りの客を乗せることが少ないという。コロナ禍以降、2次会、3次会が減り、終電に間に合わないという人がめっきり少なくなってしまったというのだ。そして今、若者の忘年会や新年会離れが進んでいる。1日一緒にいる人達と夜までつきあうのは御免蒙りたい、そんな人が増えている。というわけで、若者はてっきりそんな会を敬遠しているものと思いきや、案外そうでもないらしい。ひと頃、職場の行事なのに対価が支払われないのはナンセンスなどと言われたものだが、ある意識調査によると、忘年会に「参加したい」という人は20代で61.5%と、他の世代に比べて最も参加意欲が高いことが分かった。小欄はすでに4回をこなし、28日に最終忘年会が予定されている。
 さて、2024年の新年を迎えるにあたり、2023年を振り返ってみよう。政治や経済、ひいては国民の暮らしに大きな出来事や変化はなく、アフターコロナの静かな時が流れている。そんな中、あるテレビ局が、2023年に放映されたニュースの回数のランキングを発表した。
1位 ロシア・ウクライナ情勢  (時事)
2位 大谷翔平・異次元の活躍  (スポーツ)
3位 侍ジャパン・WBC制覇  (スポーツ)
4位 各地で記録的猛暑・大雨頻発  (時事)
5位 物価高による値上げ止まらず  (時事)
6位 イスラエル&ハマス武力衝突  (時事)
7位 新型コロナ5類引き下げ・平時  (時事)
8位 「ルフィ」広域強盗事件  (時事)
9位 台風6号&7号・影響長引く  (時事)
10位 北朝鮮・軍事行動強める  (時事)
11位 ジャニーズ事務所問題  (芸能)
 世界を見渡しても、局地的な紛争国を揺るがすような出来事はなく、何とも小粒なニュースが並ぶ。果たして2024年はどうか。予測困難な中、当たるも八卦、当たらぬも八卦。古来からのやり方で2024年を占ってみる。十干十二支でみると 2024年は甲辰(きのえたつ)の年。「甲」は、十干の一番最初の文字で、物事の「はじまり」を象徴し、草木が成長し勢いを増す様を表すともいわれる。「辰」の字にも成長の意味があり、年回りからいけば、成長が十分に期待できる年となる。ともあれ、2024年が穏やかで平和な年でありますようにと、心から願ってやまない。
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第2248号 今年の漢字一文字は「税」
2023.12.15
 令和5年もあと3週間、今年はロシアのウクライナ侵攻をのぞいては、世界も日本も比較的平穏な1年だったように思う。とはいえ、世界は常に動いている。年明けから、さまざな出来事がテレビ、新聞を賑わせた。とくに日本にとっての大きなニュースは、スポーツ界に集中した。
 3月、野球のWBC(ワールド・ベースボール・クラシック)がアメリカ・フロリダ州で日本とアメリカの決勝が行われ、日本が3対2で勝って、3大会ぶり3回目の優勝を果たした。そして第105回全国高等学校野球選手権大会では、慶應義塾高校が第2回大会以来、107年ぶりに優勝。文武両道で、歴史ある高校の優勝は、野球に特化した学校が優勝することが多い中で特筆できる出来事であった。またプロ野球では、日本シリーズで阪神タイガースがオリックス・バファローズを下して38年ぶり2度目の日本一に輝いた。パリーグの覇者オリックスブレーブスとの優勝パレードには神戸、大阪で100万人がつめかけ、スポーツが持つパワーをまざまざと見せつけた。野球以外では、バスケットボールワールドカップにおいて日本代表がアジア1位で2024年パリオリンピック出場権を獲得。自力での獲得は48年ぶりという。
 今年もまた、「今年の漢字」が12月12日に発表された。日本漢字能力検定協会が、その年の世相を表す漢字ひと文字を一般から募集し、最も多かった字が選ばれる。今や、師走を彩る京都の風物詩となっている。発表は午後2時から京都の清水寺で行われ、「税」の文字が選ばれた。応募総数約15万票のうち、「税」が5976票を集めた。一年を通して増税議論が活発となり所得税や住民税の定額減税が話題となった。また、2位は「暑」、3位は「戦」、4位は「虎」、5位は「勝」、6位は「球」、7位は「高」、8位は「変」、9位は「増」、10位は「楽」だった。
 これまでの漢字を振り返ると、最も多く選ばれたのは「金」が4回。いずれもオリンピックが開催された年に選ばれている。ちなみに過去8年では◇2022年「戦」◇2021年「金」◇2020年「密」◇2019年「令」◇2018年「災」◇2017年「北」◇2016年「金」▽2015年「安」となっている。
 一方、企業が選ぶ今年の漢字は「変」となった。「生活や働き方改革、人手不足、物価上昇、異常気象、国内外の政治情勢など世の中の急激な変化」、「人工知能(AI)やDX(デジタルトランスフォーメーション)などの技術革新」といった変化や変革を強く感じた企業の声を反映した。
 新しい年に向かって漢字一字の持つ意味をかみしめたい。
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第2247号 スポーツの力、恐るべし
2023.12.01
 10月の関西、とくに大阪は街全体が喜びで盛り上がった。プロ野球の阪神が優勝、おまけにオリックスまでがパリーグを制覇、二重の喜びに沸いた。恒例の道頓堀へのダイブは、警官120人を動員、警戒に当たったが、それでも37人が飛び込んだという。その執念は賞讃に値いする。川への飛び込みはあくまで自己責任の所行で、その行為を国家権力が制止するのは如何なものかと思う。日本が大人になりきれない過保護国家といわれる所以でもある。
 それはともかく、住まいから近くで、祝日ということもあり、2球団のリーグ優勝を祝うパレードを見るため淀屋橋に出かけた。午前中は、阪神が神戸市の三宮周辺、オリックスは大阪・御堂筋で行い、主催者の発表によると、神戸市に30万人、大阪に20万人のファンが詰めかけたという。小欄は、その余りの熱気に当てられて、パレードを見ることなく会社に戻った。野次馬根性が強く、何にでも興味を示す大阪の人達ならではの行動だといえる。そういえば、30年前の日本一のときもパレードは行われたが、盛り上がりもスケールも今回とは比べ物にならない小さいものだった。その年の日本は8月に日航ジャンボ機が群馬県の御巣鷹山に墜落、地下鉄サリン事件など数々の凶悪犯罪を犯したオウム真理教事件など、世の中は騒然としていた
 プロ野球・阪神タイガースの18年ぶりのセ・リーグ優勝に関して、お金はどれぐらい動いたのか。それも大阪人のもうひとつの関心事となっている。関西大学の宮本勝浩名誉教授はによると、全国で969億円の経済効果が見込まれると試算している。宮本名誉教授は「2、3年おきの優勝ではファンが慣れて盛り上がりが少ない。今回は、待ちに待った優勝で、大きな盛り上がりが期待できる」と指摘している。内訳は、ファンの飲食代の増加が325億円、観客動員数の増加にともなう消費増が56億円、祝賀セールなどが40億円など。熱狂的ファンが多い関西地域だけで、全体の9割となる872億円の効果を推定。2003年の優勝時(1481億円、関西地域)には及ばないが、2005年(683億円)の優勝や今春の「ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)」での経済効果(654億円、全国)を上回る計算だ。
 野球に限らず、スポーツにより、多くの人が元気をもらうことで、日本がますます発展していくという効果も期待できる。スポーツの力、恐るべし。これからも、何度でもパレードを見たいものだ。
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