第2206号 日本の伝統行事「ひな祭り」
2022.03.15
このところ、毎日、大阪の朝は寒い。摂氏2度とか3度という日が続いている。先週までは厚手のダッフルコートを着て通勤していた。ところが昼過ぎには15度くらいまで上がる。着るものに困る日々だ。そんななか、世の中は3月3日、うれしいひな祭りを迎えた。桃の節句ともいうこの季節には、女の子のいる家にはひな人形が飾られる。我が家には古いタイプの女性(母とも妻ともいう)がおり、一人いる女の子のために、季節折々の行事はほぼすべて行ってきた。上の2人は男の子で、5月には、家の屋根に鯉幟がひるがえっていた。でも今やこんな行事は年々廃れ、風物詩としてテレビで見るぐらいになってしまった。世の中から取り残される四季折々の家での行事は、日々の暮らしにメリハリをつけるためにも遺しておきたいと思う。さて、ひな祭りとは、女の子のすこやかな成長と健康を願う「桃の節句」の行事である。古代中国の陰陽道では、1・3・5・7・9の奇数が重なる日に、お供えやお祓いをする風習があった。3月3日の上巳、5月5日の端午、7月7日の七夕などがそれに当たる。日本では平安時代に年中行事になり、江戸時代には少し変化して「五節句」という幕府公式の祝祭日になった。当時にしては、わりと大事な祭日で、賑やかなお祭りの雰囲気だったという。節句にはもともと男女の区別はなかったが、菖蒲を「尚武」にかける端午の節句に対し、上巳の節句は優雅な女の子のお祭りとして楽しまれるようになった。節句とは別に、日本の公家には「ひいな(ひな)遊び」という幼い女の子の遊びがあった。この言葉は源氏物語などにもしばしば出ており、人形を使ったままごととして後世に伝わっていく。江戸時代には、嫁入り道具としてひな人形が武家社会に持ち込まれたが、庶民の間にまで広がることはなかった。ところで、雛人形を飾る時期は、立春(節分の翌日、2月5日ごろ)から2月中旬にかけてがよいと言われており、関西では、節分で豆まきをして厄を払ったあとに飾るという流れが多い。これは、桃の節句は春の節句ということもあり、春の訪れを告げる立春がひとつのベストタイミングだからといえる。ひな祭りに代表される、家のなかでの年中行事は年々姿を消しつつあり、替わってバレンタインデーなどが若い人達に広がり、すっかり様変わりしてしまったが、日本人が日本人たる由縁の伝統行事は残ってほしいし、長く後世に伝わってほしいと願う。
time.png 2022.03.15 10:12 | pmlink.png 固定リンク | folder.png Column
第2205号「コト消費からイミ(意味)消費へ」
2022.03.01
最近、何も買っていないことに気づいた。コロナ禍、会社と家の往復だけで、どこにも出かけないこともあって、本当に買い物をしなくなった。そんななか、世の中の消費の形も大きく変化してるという。日常生活に必要なモノ以外、モノを買うという行為そのものが、店舗からインターネットへ移行しており、その傾向はますます強まっているというのだ。買う場所、買い方が多様化してきたことで、ユーザーは「欲しい」と思った瞬間に、「いつでも」「どこでも」商品を購入できるようになり、消費行動は大きく変化した。
2000年代初頭、「消費はモノからコトへ」といわれるようになった。「ただ単にモノを売るのではなく、経験・体験することの価値を訴求することによって商品サービスの消費が促されることが重要」といわれるようになった。そして近年、「コト消費からイミ(意味)消費へ」と、シフトの変化が起こっている。日本でモノ消費からコト消費への移行が進んだといわれているのは、1990年代後半から2000年代ごろ。高度経済成長期からバブル期までのモノ消費の時代に人々が消費していたのは、商品やサービスそのもので、言い換えれば、商品・サービスの機能であった。70年代ごろの人々は、最新型の家電など暮らしを豊かにする商品の購入を通じて物質的な豊かさを実感していた。また、80年代には、ブランドもののアイテムや輸入車など、流行のモノを所有することで他人と差別化しようとする傾向が見られるようになった。しかし、90年代後半になると、人々はすでに多くのモノを所有している状態になり、商品やサービスがあふれる中で、「欲しいモノが特にない」と感じるようになり、より精神的な豊かさを求めるようになる。そこで現れ始めた消費行動がコト消費で、「消費はモノからコトへ」へと向かう。このコト消費は、モノやサービスを購入することで得られる体験を消費することで、コンサートやスポーツ観戦などのイベント、スキーやハイキング、旅行などに加え、モノを買うときにも「こんな体験ができる」という発想で消費するようになる。このように、自らも同じ体験をしようと消費行動をするのが、コト消費といえる。もちろん、手づくり関連もこの範疇に入る。
一方で、人や社会への貢献や、地球に優しいことを重視する消費者も増えており、こうした価値観は、従来のモノ消費ともコト消費とも違う「イミ消費」という新しいトレンドが生まれた。
時代は常に変化しているのだ。
time.png 2022.03.01 10:08 | pmlink.png 固定リンク | folder.png Column

- CafeLog -