第2298号 本格的AI時代がやってきた
2026.01.01
 本稿を執筆しているのは2025年もあと僅かの年の瀬で、2025年もそろそろ終わりが見えてきたこの季節はまた忘年会のシーズンでもあり、一年で一番忙しい日々を過ごしている。この歳になると、誘っていただける内が花と、断らずに参加している。鍋を囲んで話も弾む。お店の人の話によると、年々、会社単位の予約は減っているそうで、忙しさも普段と変わりないという。クリスマスイブに赤い帽子をかぶって、千鳥足で歩いているオジサンもついぞ見かけなくなった。世の中、女性が強くなって品行方正な男が増えてしまった。寂しい限りである。
 さて、2026年は午年(ひのえうま)の年である。午年にあたるこの年は、情熱や変化を象徴する年とされ、午年生まれの性格や丙午にまつわる迷信なども数多くある。60年周期の干支の中で43番目に位置し「情熱的で強い意志を持ちながらも、激しさや変化をともなう」といった意味合いを持つ年とされている。
 この丙午、2026年のトレンドは、生成AIの日常化(AIエージェント、業務効率化)、「苦労キャンセル」(タイパ重視、エコノミーグルメ)、「ウェルネス」(心身の健康、自然回帰)、「平成女児・Y2K進化系ファッション」(少女漫画風)、「推し活の深化」(アテンション・デトックス、オフライン体験重視)などがキーワードとなりそうと予測されている。
 AIとは人工知能(Artificial Intelligence)・(アーティフィシャル インテリジェンス)の略称。コンピューターの性能が大きく向上したことにより、機械であるコンピューターが「学ぶ」ことができるようになった。それが現在のAIの中心技術、機械学習につながって来た。この機械学習をはじめとしたAI技術により、翻訳や自動運転、医療画像診断や囲碁といった人間の知的活動にAIが大きな役割を果たす時代がやって来たのだ。
 一方、2026年の予測は、多言語AI翻訳や生成AIショッピングで生活の「苦労・手間」を極限まで減らしつつ、中古EVや次世代ウェルネスなど経済性と技術の融合を追求するトレンドが主流となる。
 2025年はそのAIが日常生活に入り込んだ年だった。仕事、遊び、学び、そしてほぼあらゆる世の中の営みにその影響は無視できないものになった。2026年はそのトレンドがさらに加速して本格的な普及の年になりそうだ。とはいうものの、AIも所詮人間が作ったものであり、根本にある人間性、心の部分を忘れてはならないと思う。
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第2297号 恒例の伝統行事「針供養」
2025.12.15
 2025年もあと僅か、何となく気忙しい師走がやって来た。では何故、12月のことを「師走」と言うのか。 昔の日本では12月になると僧侶を家に来てもらってお経を唱えてもらう習慣があった。 そのため僧侶は12月になると、とても忙しく走り回っていた。 そのことから「師走」という言葉が生まれ、12月を表す言葉として使われるようになったという。このように「師走」という言葉には、年末の忙しさを象徴する深い意味と由来があるのだ。
 また、手芸やソーイング業界にとっての12月は、一年間お世話になってきた洋裁材料や手芸用具に感謝を捧げる「針供養」の行事が行われる月でもある。「針供養」とは、折れたり、錆びたり、曲がったりして使えなくなった針を豆腐やこんにゃくなどに刺して供養する行事で、2月8日、または12月8日に行われる。今年も同様で、東日本では2月8日、西日本では12月8日に行うところが多い。
 針供養の起源は、中国の「社日(土地の神様をまつる日)に針線(針仕事)を止む」という習わしに起因するという説がる。平安時代には貴族の間で行われるようになったと考えられており、江戸時代に針の労をねぎらい裁縫上達を願うまつりとして広がった。当時、針仕事は女性にとって重要な仕事だったため、折れた針や古くなった針に感謝の気持ちを込めて柔らかい豆腐やこんにゃく、もちに刺し、川に流したり、土に埋めたり、神社に納めたりして供養し、裁縫の上達を願った。
 豆腐など柔らかいものに刺すのは、これまで硬い生地などを刺してきた針に対し、最後は柔らかいところで休んでいただきたいという気持ちや、供物としての意味があり、昔はそれぞれの家庭で針供養を行っていたというから、身の回りの道具を大事にする気持ちをこれからも大切にしていきたいと思う。
 ともあれ、今年もあと2週間で新しい年を迎える。初競りマグロが2億7000万円、過去2番目の高値で取引きという明るいニュースからスタートした2025年。4月に開幕した大阪・関西万博には関係者を含めた総来場者数は約2901万人に達した。また、自民党新総裁に高市早苗氏就任、坂口志文氏にノーベル生理学・医学賞、北川進氏にノーベル化学賞授与というビッグニュースもあった。そして、新しい年に向けて年末恒例の2025年漢字一文字は「創」が候補に挙がっている。さまざまな「変」を味わってきた今年をふまえて、新たな仕事や暮らしなどを「創造」「創業」に向けて「創意工夫」して「創作」できたらとの願いが込められている。
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第2296号 「循環」が世の中を変える
2025.12.01
 最近よく耳にする言葉に「循環」という語彙がある。英語では「サーキュラーエコノミー」とも言われ、世界におけるトレンドにもなっている。「サーキュラーエコノミー」とは、直訳すると、「丸い経済」で、その名の通り、あらゆるものをぐるぐると循環させる経済のことを指す。私たちの行動も「ものを買う」「ものを使う」「資源ごとに分ける」「資源をまわす」。そして、その結果、生まれたものが「ものを買う」というように、ぐるぐると循環させていく、これが「循環型消費行動」と呼ばれている。
 つい先日も京都で「循環フェス」という名のイベントが開催され、若者を中心に多くの人で賑わった。サーキュラーエコノミーは、お金をかけて捨てていたものが、あらたな価値になる経済活動のことで、産業イノベーションや、地球環境への貢献にもつながるものとして注目を集め始めている。実はこの何気ない買い物やごみの分別が、経済をまわす力になっているという。
 このフェスで提唱されているのは、「長く使えるモノを買う」「丈夫で壊れにくいモノや修理可能なモノを選んで買う」「再生材でできたモノを買う」「レンタル・シェアリングサービスを選ぶ」など。中でも再生材は、新しい資源を使わずに済むことにつながる。さらに、モノを買わずに借りたり、みんなで共有すると、一人ひとりの持つ物が減り、資源を大切に使える。捨てないものを買うことでごみが減り、財布にもやさしい結果にもつながっていく。
 洗って、分解して、素材ごとに分別する。そのひと手間が、それぞれの材料を再利用しやすい形に変える大切なポイントになる。店舗や企業の回収ボックスを利用するなど、正しく循環されれば、新しいモノに生まれ変わる。丁寧に長く使うこと、
シンプルだが、実はこれがいちばん効果的で、新しいモノを買う回数が減るだけで、ごみもぐっと減る。さらにリメイクやアップサイクルなどの工夫を楽しむことも効果的。定期的にメンテナンスする。壊れたら直して使い続ける。すぐに捨てないで、直せる方法がないか調べてみる。世の中には、意外と直せるモノが多い。リペアサービスを利用する。リサイクルショップやフリマアプリを使うetc…。
 使わなくなったモノは売る。これは、環境的・経済的にいいことなのはもちろん、捨てていたものが誰かの役に立つことができるるかもしれない。正しい循環を実行していくだけで、世の中が今よりもっと住みやすくなるように思う。
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第2295号 いつまで続く「値上げラッシュ」
2025.11.15
 日一日、秋が深まっている。何でも美味しい秋だが、とりわけ今年は秋刀魚(さんま)が豊漁で安く売られているという。大ぶりでよく脂の乗ったものが一尾220円ほどというから嬉しい限りだ。その昔、秋刀魚を焼くのは子どもの役目で、庭にかんてき(関西弁で七輪のこと)を持ち出して団扇で炭火を熾して焼き上げたものだ。旬の秋刀魚はその当時、とても安かったためか、夕食の食卓には連日、秋刀魚がのっていた。
 さて、今年の秋は値上げの秋でもある。2024年秋と比べて品目数が増加し、原材料高に加え、物流費・人件費・エネルギーコストなど国内要因による「値上げラッシュ」が続いている。10月は半年ぶりの3000品目超えとなり、通年でも2万品目超えが見込まれ、値上げが長期化する傾向にあるという。今年秋の値上げの特徴は、品目数の増加: にあり、2024年秋を上回り、10月は半年ぶりに3000品目を超えた。また、値上げ品目数は2022年以来の2万品目超えが確実となり、値上げが本格化した2022年に迫る勢いとなっている。
 値上げ要因としては、 円安などの外的要因から、賃上げや物流費高騰など国内の内的要因による値上げが主となり、粘着性の高い物価上昇となっている。一方で、 恒常的なコスト増に対応するための値上げ戦略へと移行する動きが見られ、値上げが長期化する可能性が高まっている。具体的な値上げ動向を見ると、10月は半年ぶりの値上げラッシュとなり、3024品目が値上げされた。分野別では、 焼酎、リキュール、日本酒などの「酒類・飲料」が最多の2262品目となっている。そして 2025年の値上げは2万品目を超え、前年の実績を上回った。分野別では、「調味料」が最も多く、次いで「酒類・飲料」だった。
 今後の見通しとしては、2026年の値上げ予定品目数は、前年同時期時点より低水準で、値上げペースが鈍化する可能性がある。 ただし、郵便料金値上げなど、コスト上昇圧力は継続しており、今後も一部で値上げラッシュが続く。恒常的なコスト増を想定した値上げ戦略への移行がみられ、値上げは長期にわたって継続する可能性が高い。
 2026年の値上げ予定品目数は、10月31日までの判明分で500品目を超えるものの、前年同時期時点で判明した2025年実施予定の値上げ品目数(1250品目)を下回る水準で推移している。、現時点では値上げペースは今年に比べて鈍化する可能性がある。総じて、値下げや価格据え置きを維持可能な好材料には乏しく、2026年も粘着的な値上げが続く可能性がある。
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第2294号 コスプレが主役の「ハロウイン」
2025.11.01
 日本列島、秋真っ盛りである。食欲の秋、スポーツの秋、読書の秋、芸術の秋、睡眠の秋、紅葉の秋……何をするにも、打ってつけの季節がやってきた。そして10月といえば、お祭りのシーズンでもある。収穫を祝って全国各地で祭礼が行われる。最近では「ハロウィン」が秋のお祭りの最大イベントになっている。日本のお祭りといえば、「祇園祭」「天神祭」「神田祭」が有名だが、どれも地域限定で、国を上げてのイベントではない。
 10月に入れば、日本の大都市はもうハロウィン一色となる。日本で初めてハロウィンを取り入れたのは、1970年代、キデイランド原宿店であるといわれている。その後、1983年には、キデイランド原宿店が、ハロウィン商品の販売促進のために、ハロウィンパレードを行った。そして、ハロウィンの認知度が一気に上昇したきっかけは、1997年に東京ディズニーランドで開かれた「ディズニー・ハッピー・ハロウィン」の仮装イベントだと言われている。それ以来、東京ディズニーリゾートでは、ハロウィンが秋の恒例イベントとなっている。その後2000年代後半には、菓子メーカーがハロウィンに着目し、ハロウィン商品を毎年販売するようになり、バラエティショップ等では仮装用品の販売が始まるなど、多方面からハロウィンが急速に広まって行った。今や、ハロウィンは日本で一番成功したお祭りとなったのである。
 ハロウィンの起源は、アイルランドやスコットランド、古代ケルト人のドイルドの信仰だと言われている。ケルト人にとって1年の終わりが10月31日。この日には、秋の収穫を祝うとともに、この世と霊界を自由に行き来できる時期であり、死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていた。この時に悪霊も一緒に来ると考えられており、不気味な仮装で悪霊から身を隠し、魔よけのために焚火をした。このように、元々は宗教的な祭りからスタートしているが、現在、アメリカなどでは宗教的な意味合いはほとんどなく、民間行事のひとつとなっている。
 とくに仮装については、もともとコスプレ文化に馴染みがあった日本では親しみやすく、「悪霊から身を隠すための仮装」の範囲を大きく超えて、何でもござれのコスプレとして、独自の方向で進化している。日本記念日協会によると、日本における2024年の「ハロウィン」の市場規模は1300億円にものぼると推計されている。「クリスマス」が6,000億とも7,000億ともいわれる大きな市場規模を誇り、「ハロウィン」はそれに次ぐイベントへの成長を遂げている。
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