第2267号 消費者の購買意欲をどう喚起していくか
2024.09.15
 このほど開かれた「OSAKA手づくりフェア」で出会ったメーカーの出展者。出品商品に興味と関心を持ってくれる人は多いが、なかなか買ってくれないと嘆いていた。売ることが目的ではないにしても、例年に比べてもお金を払って手に入れたい人が少なかったという。国内の調査機関によると、消費者の購買意欲は拡大するも物価高の影響による「コスパ」「メリハリ」「節約」を意識した価値観の増加が目立つようになっていると発表した。全国20歳から79歳の男女5,000人を対象にしたWEBアンケート「国内消費者意識・購買行動調査」で明らかになった。昨年度調査と比較可能なカテゴリーのすべてで「1年前と比較して消費金額が増えた/大幅に増えた」とする層が拡大している。「外食」「旅行」などソト向き支出は、全ての年代で消費が活発化しており、特にシニア層での回復が顕著に出てきた。しかし、各調査項目で3割は「消費金額が減った/大幅に減った」と回答しており、消費を控える傾向も全般的に続いている。
 昨年に引き続き、消費金額の増減要因は消費金額が増えた、減った層ともに「物価高騰」が上位を占める。中でも生活必需品である「食料品」「飲料」「日用品」においては、消費金額が増加した層の半数が「物価高騰」を理由としており、相次ぐ値上げにより必要に迫られて消費金額が増えたことがわかる。価格高騰が日常生活に影響を及ぼしていることが示された。
 「今後、消費額を増やしたいもの」については、4割以上が「増やしたいものはない」と回答していることは昨年と変化はない。しかし今年度の結果では、世代が上がるほど「増やしたいものはない」と回答した割合が高く、シニア世代である70代(48.5%)と20代(35.6%)では10ポイント程度の差がうかがえる結果となった。
 消費が活発化している「外食」「旅行」については、消費額を増やしたい項目でも上位となっており、特に「国内旅行」においては昨年度調査より割合は減少したものの60代以上のシニア世代のソト向き消費志向が高い傾向が示された。反対に、同じく上位の「貯蓄/投資」は特に若年層での回答割合が高いことは昨年度調査から継続しており、働き世代である40代を喚起するでは昨年よりも2ポイント程度増加し、貯蓄/投資を増やしたいと回答した層が3割を超えた。物価高による家計への負担が増えている中で、先行き不透明な将来に備える意向がうかがえる結果となった。こんな状況の中で消費者の購買意欲をどう喚起していくか、永遠のテーマでもある。
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第2266号 コロナ禍はまだ終わっていない
2024.09.01
 連日猛暑が続いている。仕事場と家をひたすら往復する毎日が続いている。外部との接触は地下鉄2駅間の車内のみ。テレビを見ないので、世の中と隔絶した浦島太郎みたいな暮らしが続く。それはそれでいいもので、心穏やかな日々を楽しんでいる。そういえば他人と接しなくなった。会社の人以外はコンビニのアルバイトの子と食堂のおばさんくらいだ。とくにコロナ禍が始まって以降極端に人と接しなくなってしまった。
 そのコロナ禍、大阪ではまだコロナ関連の患者は増え続けているという。現代医学を持ってしても歯が立たないのである。手強い相手なのである。ここで日本におけるコロナ禍のおさらいをしてみよう。2023年5月に新型コロナウイルスが5類に移行してから1年。今年のゴールデンウィークは全国的に人であふれ、コロナ禍以前の景色が完全に戻った印象だ。しかし、どうしてもモヤモヤが残る。世間的にはコロナ禍は終わったように思われているが。日本も世界も、まだ感染の最中なのである。
 あのコロナ禍の日々から、日本社会も普通の日常を取り戻している。厳しい感染対策や行動制限がなくなり、暫定的に続いていた、ワクチン無償接種や高価なコロナ治療薬への補助も今年3月いっぱいで終了。最近ではメディアも含めて誰もコロナの話はほとんど話題にしていないような気もする。コロナ禍であれほど猛威を振るったコロナウイルスはいったいどこに行ったのか。 ある大学教授は言う。「新型コロナウイルスが世の中からいなくなったわけではありません。それどころか、実際には今でも多くのコロナ感染者がいるのです」と。5類に移行してから、日本ではそれまでのような感染者の全数調査が行われなくなり、そのため、現在は国が指定した一部医療機関の受診者を対象とした定点把握をもとに、おおよその感染者数を推計するしかない状況下に置かれている。
 その定点把握のデータを見ると、現在は感染者数が減少傾向にはあるが、今年1月末から2月にかけて、それなりに大きなコロナ感染の波が来ていた。そこで、今年に入ってから最も死亡に影響を与えたとして新型コロナ感染が記載された人の数に注目すると、今年2月には3000人を超える人がコロナ関連死で亡くなっている。
 この状況下で「コロナ禍以前の生活状態に戻った」と考える人は34%で、依然として3分の2程度の人はコロナ禍以前には戻っていないと考えているのだ。
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第2265号 町の本屋さん がんばれ!
2024.08.15
 本を読むのが好きである。6人兄弟の末っ子として生まれ、長兄とは14歳の年の差がある。姉がひとりいる以外は男ばかりで殺風景な家だった。家は広かったが、子供部屋などがある時代ではなく、みんな適当に、その辺に寝転がったり、寝るときも各自好きなところに布団を敷いて寝ていた記憶がある。小生を除いてみんな結構、勉強好きで、そこここに本が散らばっていた。岩波新書から少年時代といった雑誌に至るまで、読み放題の環境で育った。着るものと一緒で本もお下がりだったのだ。
 気付いている人も多いと思うが、町から本屋がどんどん消えている。全国で書店のない自治体が4分の1までに達した。今は書店数は全国で8000店くらいで、ピーク時の3分の1に減っているという現状がある。出版業界そのものの販売額も1996年がピークでそれ以降右肩下がりで減り続け、ピーク時の半分以下にまで落ち込んでいる。
 そんな状況のなか出現してきたのが電子書籍と呼ばれるいわゆる電子出版物で、2014年頃から順調に売り上げを伸ばしてきている。さらに、これに追い打ちをかけるようにAmazonなどのネットショップによる書籍の販売も台頭してきている。書店の減少に歯止めがかからない。
 「町の本屋さん」が全国で急速に姿を消している。1980年代には2万5000店を超えていたが、今やその3分の1にまで減少し、最近20年間に限れば半減した。書店が1店もない市区町村は4分の1にも上る。弊社の近くの天神橋筋商店街でも、本屋は3軒に減ってしまっているのが現状なのである。
 出版文化産業振興財団の調査によれば、2023年9月時点で、全国の「書店ゼロ」の市町村は26.2%に達した。背景には、人口減や書籍の電子化にとどまらない複合的な要因がある。書店が消滅した町にはどんな影響が出ているのか興味は尽きない。
 ネットで本を取り寄せることもあるが、「フィルターバブル」になっていないか気になる。これは、自分の好む情報に囲まれ、周りが見えなくなる状態に陥ってまうからだ。書店では、目的以外の本もたくさん目に入る。流行を感じるし、他の人たちの考えも意識する。ふと気がついたら近所の本屋が消えていたという経験がある人は少なくないのではないか。
 読書習慣の減退による本離れ、ネット書店の伸長、電子書籍の普及、さまざまな要因が複合的に絡み合って書店を取り巻く環境が激変しているが、日本の文化を維持していくためにもがんばってもらいたいものだ。
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