第2259号「中国」とどう向き合っていくか
2024.05.15
 ゴールデンウィークが終わった5月8日、個人的な用があって京都に向かった。JR京都駅に着いて驚いた 。バス乗場もタクシー乗場も人で溢れ返っていた。北に向かう地下鉄も超満員、それもほとんどが中国人が多数を占めるインバウンドの人達。どこもかしこも、人間の許容量を超えて大変なことになっている。観光客の扱いには慣れている都市とはいえ、想定外の出来事に行政や市民も戸惑いを隠せない。9日朝のテレビには、八坂神社に向かう四条通りにゴミが散乱している様子が映し出されていた。
 海外からの観光客。旅行代理店最大手のJTBによると、2024年の訪日外国人客数が3310万人と、過去最高になると予測しており、政府は長期目標として2030年の旅行消費額を15兆円に設定し、国家予算の大きな柱として、受け入れ体制を整える。その中心にあるのが中国であるのは言うまでもない。中国からのインバウンドは、コロナ禍前の2019年は訪日客数全体の3分の1を占めていたが、2023年は全体の1割にも満たない。不動産不況による中国景気の低迷が影響しているとみられるが、今後中国からの訪日増で消費額・客数ともさらに伸びる余地がある。
 さて、その中国人。わが町、天神橋筋商店街でも数人連れで闊歩している姿を見かける。。家族連れが多く、声が大きいのですぐ中国人とわかる。国民性としては、自信過剰で志が高く野心家で、昔から華僑として世界中に進出し、大都市のなかに中華街(チャイナタウン)を作って暮らしてきた。本当に逞しい民族なのである。日本人と比べて自信家の人が多く、たとえば、何かを「できますか」と聞くと、実際にはできないことであっても「できる」と言う。できなかったときにも「できた」という人が多いという。日本人は「確実にできないことは引き受けない」傾向があり、それとは正反対なので、戸惑うことも多い。
 ともかく、「これまで誰もやらなかったことを成し遂げたい」と考える志の高い人が多く、平凡な人生を終えられたらそれでいい、と考えている人はほとんどいないという。私の知人の中国人もまさにその通りの人で、とりあえず、すべてのことが「自分を中心」として回っていると考えている。自分と身内だけが良ければそれで良い、という考えのもとに行動するのだ。公正中立な一歩引いた第三者的立場という観念は存在しない。21世紀の世界のなかでも、中華思想を元とした中国の国家観は特殊で、到底世界に受け入れられるものではない。隣国としてどう付き合っていくか、むずかしい問題である。
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第2258号「ゴールデンウィーク」を楽しむ
2024.05.01
 今年も5月のゴールデンウィークがやってくる。気候的にも、寒くなく暑くもなく日本列島、一番過ごしやすいシーズンでもある。というわけで、休みを利用しての観光を中心とした国民大移動が4月27日からスタートした。テレビや新聞などのメディアの一部では、ゴールデンウィークとは呼ばず「大型連休」とするところもあるが、ともかく正月休み、盆休みと並んで、わが国の3大長期休暇のひとつとなっている。この「ゴールデンウィーク」という言葉は、1951年、現在のゴールデンウィークにあたる期間に上映された映画が、正月やお盆興行よりヒットしたのを期に、当時の映画関係者による造語で、アメリカでは通用しない和製英語。当初は「黄金週間」と言われていたが、インパクトに欠けることから「ゴールデンウィーク」となったという。
 ゴールデンウィークは、戦後間もなくの75年前の1948年に「国民の祝日に関する法律」で祝日が設定されたことが始まり。法律では元日(1月1日)や、成人の日(1月15日)など9つの祝日が定められた。昭和の日(4月29日)、憲法記念日(5月3日)、こどもの日(5月5日)の3日に加え、のちにみどりの日(5月4日)が制定され、1年で最も祝日が多い「ゴールデンウィーク」になったというわけだ。今年のゴールデンウィークは4月30日から5月2日まで3日間休みが取れれば、なんと10連休になり、去年よりも長く休めるカレンダーになっている。そのためか、5年ぶりの大混雑が予想されている。
 JTBは、「ゴールデンウィークの1泊以上の旅行に出かける人」の旅行動向見通しをまとめている。国内旅行は、旅行者数が 2,280 万人(対前年 100.9%)、平均費用は 36,100 円 (対前年 103.7%)、旅行消費額が 8,231 億円(対前年 104.7%)そして。 海外旅行は旅行者数が 52 万人(対前年 167.7%)、平均費用は 269,000 円 (対前年 104.7%)、旅行消費額が 1,399 億円(対前年 175.6%)となった。国内旅行旅行者数は、物価高騰の影響もあり前年並み で、 平均旅行費用(単価)は物価高で上昇 しており、行先はやや近場が多いものの前年に比べ分散傾向、交通機関は鉄道や航空機を利用した旅 行が増加 している。一方、海外旅行旅行者数は、新型コロナウイルス感染症流行前の 8割程度まで回復した。平均旅行費用(単価)は、円安や物価高の影響により上昇 した。 旅行意欲は高めだが、旅行費用の高騰を受け、行先は近場が多く、特にアジアの人気が高いという。久しぶりに活気が戻ってきたゴールデンウィーク。心おきなくエンジョイしたい。 
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第2257号「Z世代」が新入社員となる
2024.04.15
 世の中すべてが4月に染まる。新しいことが始まる。そんな季節がやってきた。大阪でも、本町や淀屋橋のオフィス街の昼休みともなれば、着慣れていないスーツ姿の新入社員で溢れかえる。彼らは群れをなして行動するからともかく目立つ。そして、そこには清新の「気」も満ちあふれている。傍にいるだけで元気がもらえるのだ。そんな4月の和名は「卯月(うづき)」と言う。由来は、ウヅキの花である「卯の花」が咲く季節だからという説があり、もともと卯月は旧暦の 4 月を指す言葉だったが、現在は旧暦 4 月=新暦4月と考え、卯月は新暦の 4 月の別 名として使用されている。しかし、旧暦は太陰太陽暦という暦を使用しているため、単純に新暦に当てはまるわけではなく、旧暦の 4 月を新暦に換算すると 4 月下旬から 6 月上旬ごろ になるのだという。
 さて、2024年入社の大卒社員。彼らは大学生活の前半をコロナ禍で過ごし、授業がオンライン授業になったことにより、授業における先生や先輩などを含めた大人との交流を中心に、サークル活動、アルバイトに至るまで制限がある中で経験をしてきた。そのため、友人との遊び方ひとつとっても今までの大卒とは違う学生生活を強いられてきた中で様々な経験ができていない人が多くいる。つまり「先輩や大人、同級生との交流が少ない=大人との交流の仕方がわからない」という人が多いということとなる。もちろん、そのような人ばかりではないが、そういった一面を持っている人がかなりの割合でいるということも確かな事実である。
 また、2000年代前半に生まれた世代は「Z世代」と呼ばれ、スマートフォンやSNSなどが進歩した社会で育っていることが大きな特徴でもある。このような環境下では、自分を認めてほしいと思い、失敗できないと思い、受け身の傾向があるといった特徴があり、自分からアクションするよりも相手のアクションを待っている傾向が高い。さらに、自分から積極的に行動しない分、頑張って認められた経験も少ないという傾向も強く、生き方そのものが自分から積極的に行動できないからこそ経験が少なく、自己肯定感が低かったり、逆に狭い範囲で生きてきたからこそ自己肯定感が高かったりと様々なタイプの人がいる。
 でも、4月1日を境にどんな人にとっても、がらりと、それこそ180度環境は変わる。社会に出る、仕事をするということはそれなりの自覚と覚悟がいる。Z世代の人達も社会のなかで生き抜いていけるよう頑張ってほしいと、心からのエールを送りたい。
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