第2220号 「休み」を有意義に過ごす
2022.10.15
 爽やかな秋が訪れた。残暑が厳しかったので、涼しくなった毎日を快適に過ごしている。10月8日からの3連休は、家の近くの散策を中心に、その内の1日は神戸に出かけた。中華料理店の「民生」で五目焼そばを食べ、「老祥紀」の豚饅頭を買って帰った。休みが3日続くと、心にゆとりが生まれ、楽しさが倍増する。得した気分になる。
 連休の過ごし方は人それぞれだが、この連休の一泊以上の国内旅行者数は前年比68.4%増の1600万人にのぼった。「遠方」「日数」「費用増」の傾向とJTBが分析した。JALは国内線の予約数が前年の2倍、ANAは約1.5倍、JR東海は新幹線の予約数が約2.4倍になったと発表した。高速道路も予想以上の渋滞が続いた。これはコロナ禍前の水準と変わらないという。移動の自粛に公園の閉鎖や遊具規制まで発令され、街や駅、観光地に人影のなかった2年前と大きく異なり、日常に近い状態に戻りつつあるように見える。
 とはいえJTBによれば、2019年比では33.4%減、コロナ禍前の2300万〜2400万人からすれば、元の形には戻っていない。さらには、感染防止のほか、燃料高など物価高を理由に旅行を自粛した人も多くいる。買い物、食事、DIY、映画やライブ、美術館や動物園で過ごすなど、コロナ禍以前の余暇の過ごし方は数多い。ライフスタイルの多様化が進んでおり、長期休暇の使い方もまた、さまざまなものになっているのだ。
 ところで今回の3連休。国民に休息を与えて上げようという国の配慮により、祝日が増えたのは結構なことだが、休めない業種も多く、嬉しい人達ばかりではない。今年は1月1日以外は土曜日に祝日が重ならず、3連休も頻繁にあるのが特徴で、また1日休めば4連休となる飛び石連休も2回あり、ゴールデンウィークも飛び石となり、平日を2日休むと最大10連休で、その恩恵を受けた人も多かった。
 そんななか、休みの使い方が下手だといわれる日本人。どんな風に過ごしているのか。あるアンケートによると、次の興味深い結果が出ている。
1.気になるマンガやドラマ、映画を見る
2.家族みんなで大掃除や断捨離
3.自宅で外食気分
4.有名店の料理やスイーツをデリバリー
5.家族でテレビゲームやボードゲームを楽しむ
6.日記、ノートに思いを綴る
7.庭や屋上でバーベキューを楽しむ
束の間の休み、自分をバージョンアップさせる自己啓発など、人生をよりよくしてくれる機会としたいものだ。
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第2219号 休日大国「日本」の行く末を考える
2022.10.01
齢(よわい)を重ねると、休みの日がそんなに嬉しくもなくなった。逆に、することも無くなったから、退屈極まりない1日を送ってしまって後悔することも多い。休日であっても、目覚めたら、まず洗顔、髭そり、整髪、歯磨きを行う。朝食はとらない。365日変わりない日課だ。そして、行く場所のある幸せをかみしめながら、とりあえず会社に出る。元旦とゴルフに行く日を除いて欠かさず行うルーティンワークなのだ。その日の行動はコーヒーを飲みながら考える。当面、問題となるのが昼飯をどうするか。最近の休みの日は、神戸か通天閣のある新世界に行くことが増えた。青春時代を過ごしたこのルートは何故か心が休まるのである。思い起こせば、われわれ年配者が就職した頃は土曜日も出勤だったし、祝日も春分、秋分の日、5月のゴールデンウィークぐらいが祝日としての休日であった。戦後、驚異的な復興をとげた日本に対し、アメリカを中心とした諸外国から、働き過ぎだという非難が沸き起こる。放っといてくれと言えば良さそうなものだが、外圧に弱く、根がお人好しの日本人。それならと、まず祝祭日を増やし始め、気がつけば、今や世界に冠たる祝日大国になってしまったのだ。
海外では、現在も日本人は休みが少ないというイメージがある。しかし、その見方とは反対に日本は意外と祝日が多い国なのである。日本の祝日は、2022年も年に16日ある。1月1日の元日から始まり、建国記念日や勤労感謝の日など、毎月のように祝日が存在する。逆に祝日がない月は、2022年の場合、6月、10月、12月だけだ。世界的にみると、祝日が多い国は中国やタイで、年間20日以上の祝日がある。一方で、アメリカやフランスは年間10日程度しか祝日がなく、ドイツやイギリスに至っては年間10日を切っている。ただし、このような国では、州によって別途祝日が設けられている場合もあるため、一概には言えないが、日本の祝日が世界的にみて多い方であることは間違いない。日本で祝日が多い背景には、社会の働き方が関係している。祝日の少ない海外に比べて、まとまった有給休暇を取りにくい日本では、週末の3連休の価値が高くなる。、また祝日と祝日に挟まれた平日は「国民の休日」となり、仕事や学校は休みになる。振替休日や国民の休日は祝日ではないが、祝日と同じような扱いと考えて良い。ともあれ、祝日大国ともいえる日本。この9月も3連休が続いた。楽しく有効に過ごせたでしょうか。
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第2218号 イベント再開で「売り」への期待高まる
2022.09.15
世界がコロナウイルスに侵蝕されて、そろそろ3年が経とうとしている。現在も、マスク生活を含めてウイズコロナの暮らしが続いている。今やまったく忘れ去られているが、元兇は中国の武漢で、ここには細菌研究所があり、そこから洩れた細菌(コロナウイルス)が瞬く間に燎原の火のように世界に広がったと言われている。どこまでもはた迷惑な国が隣にある日本。その中国は、今も侵略行為や偽物の生産を筆頭に、傍若無人な振る舞いで世界に迷惑をかけ続けている。中国こそが世界の中心という中華思想を振りかざし、他人のものと自分のものの区別もつかない民族に成り下がっているのだ。
思い起こせば3年前(2019年)の2月、小欄にとって、福岡での「手づくりフェアin九州」が業界でのイベト取材の最後となった。開催日の朝、福岡に初めての感染者が出たというニュースを、ホテルで聞いた。1日のズレで開催できたのだ。今から思えば奇跡に近い開催であった。このコロナ禍の影響で2020年、2021年と2年間あらゆるイベントの開催が見送られてきた。今年に入って、各地で続々と再開の動きが出始め、4月末にビッグイベント「日本ホビーショー」も開催されたが、時間制による入場制限もあって、コロナ前とは程遠い、盛り上がりに欠けるイベントとなった。
その後のイベントはリアルでの開催、オンラインによる開催、リアルとオンライン2本立てでの開催の3通りで行われてきた。その中でも、オフィスや自宅にいながらオンライン上で展示会や見本市に参加できる「オンライン展示会」の存在が大きくクローズアップされた。さまざまなイベントが軒並み延期・中止になっている今。これまでBtoBでの商談に欠かせなかった展示会での対面商談も「オンライン」へとシフトした。しかし、展示会はあくまでリアルであってほしい。直接手にふれて、目で確かめてこその展示会と思う。今月、OSAKA手づくりフエアが3年ぶりに開かれた。この日を待ち望んでいた人達が会場に溢れ、出展者の応対にも熱がこもる。久しぶりの光景が眼前に広がる。出かける手間が省け、オンラインでさまざまの新しい情報が手に入る時代とはいえ、やはり、リアルに勝る展示会はない。とくに、楽しそうな人達を目の辺りにすると、取材を忘れて気持が高ぶる。この会場の雰囲気が実際の「売りの場」につながってほしいと切に願う。これから本格化する手づくりの秋が実りあるシーズンになってほしい。
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第2217号 もっと勉強しとけば良かった
2022.09.01
今年の夏は暑かった。依然として収束しないコロナ禍の影響とのダフルパンチにより、外にもほとんど出かけず、人とも会わず、何の刺激もない静かな時を過ごしている。お笑いと食べることに席巻されてまったテレビを見るのも飽きた。そこで本を読もうするが、霞のかかった頭で読解力にも乏しく、書いてあることがなかなか頭に入ってこない。若い頃、もう少し真剣に勉強しとくんだったと反省しきりの今日この頃である。そんな折り、見るともなしに見ていたテレビ番組で、日本の学生の学力低下の実態がレポートされていた。この学力低下に関しては、2000年初頭に文部省が推進した「ゆとり教育」が悪影響を与えたのではと議論を呼んだ。授業についていけない子どもが多いのは、学習内容が過密なためで、これが不登校の増加や授業が荒れる原因になっているという考えのもと、そうした状況への対応策として、「ゆとり教育」が提案された。審議会は1987年には、より積極的にゆとり教育の必要性を説くようになり、ゆったりと授業を受けられるように、教材を削減する答申を出した。この頃の生徒のかばんは極端に薄いものだったと記憶にある。2002年度(平成14)から、学校の完全週5日制が実施されることになり、年間授業日数は202日程度になった。その結果、小学6年生の総授業時間数は、1968年度(昭和43)の年間1085時間から、89年度の1015時間を経て、1998年度には945時間と、30年の間に140時間減少している。
こうした流れを経て、昨年末に発表された「PISA」の調査によると、世界41カ国の参加国・地域内での日本の読解力の順位が、2018年には8位から15位に下がったと報じられた。(「PISA」とは、OECD加盟国を中心として3年毎に実施される15歳を対象とした国際的な学習到達度テスト)。読解力、数学的リテラシー(ある分野における知識や能力を応用する力)、科学的リテラシーの3分野を中心とした試験で、義務教育修了時点で学んだ知識を生活にどれだけ応用できるかを測っている。無理のない学習環境で、子供たちがみずから学び考える力の育成を目指したゆとり教育は、一方で学力低下という側面を生み出した。暗記中心の知識の詰め込み教育や過度の受験競争が,偏差値重視の教育を廃止してゆとりのある教育に転換したものの、国際的に日本の学力水準は低下の一途をたどる。学力1位のフィンランドは、国民の幸福度も世界で一番である。教育の充実は国に繁栄をもたらしているのだ。
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第2216号 今や日本人の必需品「マスク」
2022.08.15
娘が小学生の子供を連れて、3年ぶりにイギリスから日本に帰ってきている。ご承知のように、イギリスは今回のコロナ禍で最も感染者が多かった国のひとつである。幸いにも、娘の家族や近しい人達にも感染者はおらず、帰国してからもお盆の帰省者のようにのんびりと実家で過ごしている。コロナ禍に関しては、もう過去のことなのか、話題にも上らない。母親と淡路島に行ったり、学生時代の友達と食事をしたり、空白を埋めるように忙しい時間を送っている。そんな彼女は、家の中も外も一切マスクをしない。もちろん子供もしない。そもそもイギリスの人は大のマスク嫌いで、以前からマスクをしない国民と言われてきた。そんな中、イギリスのボリス・ジョンソン首相は6月下旬、イングランドで新型コロナウイルス対策のすべての法的規制を撤廃すると発表。隔離措置も廃止し、大規模検査も取りやめた。マスク着用者もほぼゼロに近い。翻って、日本人の感染者数が国際的にみても少ないのは、マスク着用者数の多さによるものといわれる。飛沫感染を事前に防いでいるのだ。もう着用は自己判断に任せるとの措置が取られても、100%近い人達がマスクを手放さない。今朝も通勤の地下鉄の車内はマスクを着けていない人は1人も見かけなかった。
このマスクと日本人。結構長い歴史とともに緊密な関係が続いてきた。日本でのマスクの歴史は、明治初期に始まる。当時のマスクは、真ちゅうの金網を芯に布地をフィルターとして取り付けたもの。主として粉塵よけに利用されていた。このマスクが、1918年のインフルエンザ(スペイン風邪)大流行をキッカケに、予防品として注目を集めるようになる。その後、マスクの改良も徐々に進み、金網をセルロイドに変えたものやフィルター部分に別珍や皮革などを使用したものが現れる。昭和に入り、インフルエンザが再び猛威をふるった1934年に、マスクは大流行。以後、インフルエンザがはやるたびに、マスクの出荷量も爆発的に増加。枠のない布地だけのものや1950年には日本初のガーゼマスクが布に代わるマスクとして誕生し、マスクは次第にその形を変えていく。1973年に不織布製プリーツ型の原型が日本での生産・販売されるようになり、1980年代からの花粉症の流行も、それまでのインフルエンザ用途に加えて一般家庭でのマスクの普及を促進させることとなり、立体マスクの登場など2000年以降、普及が促進さた。暑い夏、鬱陶しくても今や日本人の必需品。がんばって着用していく他はない。
time.png 2022.08.15 10:46 | pmlink.png 固定リンク | folder.png Column

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