第2306号 連休に思う 「休み下手」な日本人
2026.05.01
 4月も半ばを過ぎ、ゴールデンウィークが近づいてきた。JTBが先月に発表した「2026年ゴールデンウィークの旅行動向見通し」によると、物価高などの影響から今年の国内旅行は「1泊2日」の割合が増加し、遠出を控えた「近場・短期」の旅行志向が鮮明になっているという。このゴールデンウィークという言葉は昭和30年代、映画会社が集客目的で作成した宣伝用語である。当時、娯楽の王者であった映画が、正月とお盆に続いてお客さんが入るこの時期を黄金週間と名付け、英語でゴールデンウィークと表現したもので、70年近く経った今も5月の連休はゴールデンウィークと呼ばれるようになった。以前は休日が飛び飛びになることが多かったことから「飛石連休」という言い方がされた時期もあった。
 ところで、この休みがサラリーマンにとって大歓迎されているかというと、そうでもないらしい。「休みの日」に何をしたらいいのか分からない若い人が結構な比率で存在するというのだ。それ以前に約4割の人が休むことに「罪悪感」を持っており、「休み下手」な日本人の姿が浮かび上がる。
 働き方改革が進む中、日本人の「休み方」には課題も多い。仕事を休んでも賃金が支払われる年次有給休暇の取得をめぐる問題もその一つだ。ただ、2019年の労働基準法改正で年5日の有休取得が義務付けられて以降、取得日数や取得率は増加傾向にある。厚生労働省によると、2022年の労働者の有休取得率は62%と初めて6割を超えた。とはいえ、政府が目標としている「25年までに70%以上」の取得には至らず、欧州先進国に比べると依然、低水準なのが実情である。大手新聞社が実施した「有休」に関するネットアンケートでも「取りにくい」との回答が大半を占めた。人手不足を背景に「仕事量が多い」ことを理由に挙げる人が目立つ。
 日本の場合、同僚や上司に迷惑をかけたくないという意識も強く、休暇は周囲に合わせて取る人が多い。さらに、わが国の職場には「休まない社員が良い社員」、それを美徳とする職場環境がある。有休が取りにくい理由にそんな「職場の雰囲気」を挙げる人も多い。
 日本人の休み方の特徴は個人の意志よりも、休み期間の「コマ切れ」と「周囲に合わせる」ことにあるという。欧州の先進国では、長期休暇を組み込んだ年間スケジュールを立てるスタイルが定着している。今後、日本でも雇用側の休むことに対する理解が深まり、働き方改革が正しく機能することが求められる。
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