第2280号 どこまで続く「物価の値上げ」
2025.04.01
 春分の日の今日(3月23日)、大阪はポカポカ陽気が到来、暖かさに誘われて会社近くの天神橋筋商店街は多くの人達で賑わっている。今日はまた、全国のトップを切って高知で桜(ソメイヨシノ)が開花した。平年の3月22日より1日遅く、昨年と同じ日に開花した。なお、桜の開花日とは、標本木で5〜6輪以上の花が咲いた状態となった最初の日を指す。
 そして、本年4月はあらゆる物価の値上げが始まるシーズンともなる。1年半ぶりに4000品目以上の食品の値上げがスタートするのだ。先週、マクドナルドが一部商品の値上げを始めたばかりだが、モスバーガーでも半分近くの商品を10円から30円の値上げが始まる。「週イチで利用している身からすると厳しい。手ごろな値段で買えていたのがファストフードの良さだと思うので、値上げは本当に厳しい」という人が多い。
 帝国データバンクによると、この4月だけで食品が4000品目以上値上げ予定で、1年半ぶりの『値上げラッシュ』となる。主要食品メーカー195社の価格改定動向調査によると、3月は冷凍食品を中心に2343品が値上げされる。前年同月の767品の約3倍に上り、5カ月ぶりに単月で2000品を超えた。2025年累計の値上げ品目数は早くも1万品超となった。これは「生産コストの上昇が企業の利益に影響し、価格転嫁が避けられない状況になっている」と分析している。
 3月は冷凍食品が一斉に値上がりした。さらにビール大手4社が一斉に値上げするほか、森永乳業がヨーグルトやチーズを10円から30円引き上げる。また、大王製紙はトイレットペーパーなど全品で10%以上値上げとなる。これは、「節約のしようがないので、大変」「毎日飲むものが上がると、回数を減らしたり、飲む分量を減らしたり」といった防衛策を考えざるを得ない。一方でイオンが打ち出したのが「炭酸水がまとめ買いで800円お得」値下げセールで、世の中の動きと逆張りの値下げを行っている。みそやポン酢など調味料が値下げになるほか、菓子パンは1個増量する。これらは値上げラッシュの中、PR効果も大きい。
 今回の値上げの要因は「原材料費に加えて、人手不足に起因する人件費、物流費の高騰を販売価格に転嫁する」ことにあり、この動きは2025年前半まで続くと見られている。経済専門家は「実質賃金がコロナの前の水準を取り戻すのは、向こう数年かかる可能性が高い」と見る。物価高を意識せずにすむ日は果たしてくるのか? 険しい道のりが続きそうだ。
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