第2288号 Z世代が時代をリードする
2025.08.01
 人類最古の文字といわれる古代バビロニア語に「今の若い者は何を考えているかわからない」という記述が残されていると言う。時代は変われど、ジェネレーションギャップは何千年も昔から永遠のテーマとして引き継がれてきたのである。
 そして今、「Z世代」なる言葉がマスメディアに頻繁に登場するようになった。Z世代とは、1990年代半ばから2000年代の初めに生まれた世代を指し、その世代特有の価値観や行動が注目されている。デジタルネイティブとして育ったZ世代は、インターネットやSNSを駆使して自己表現を行い、社会とのつながりを大切にする。Z世代以外の世代のなかには、Z世代の価値観や行動をどのように理解し、育てるべきか悩んでいる人も多い。Z世代は「ポストミレニアル世代」とも呼ばれており、その由来はアメリカの「ジェネレーションZ」にある。アメリカでは各世代をアルファベット順に呼んでいて、Z世代の前は「X世代」「Y世代」と呼んでいた。X・Yの次ということで、Z世代と名付けられた。Z世代は生まれた時からインターネットが身近にあり、それまでの世代が「均質性」や「効率・生産性」といった組織中心の価値観を重視してきたのに対し、Z世代は「個性・多様性」「目的・意味」「助け合い・学び合い」などを大切にする傾向があるとも言われている。 
 この世代は、2025年現在で15歳から30歳の年齢層に該当し、インターネットやスマートフォンが普及した環境で育ち、デジタル技術とともに成長してきた。そのため、情報収集やデジタルコミュニケーションに関してツールを活用することが日常的であり、他の世代と比較してもデジタルを使いこなす高い能力を持っている。また、Z世代はワーク・ライフ・バランスを重視する傾向にあり、そのため意味がないと感じる残業や休日出勤を好まず、「自分らしさ」を大切にしているため、プライベートの時間が削られる会社では自分らしく働けないと考え、離職につながることも多く見受けられる。
 一方で、家族や友人といった、横のつながりや仲間を大切にする。日常生活にはネットショッピングが定着し、商品を購入する前にスマホなどでしっかりリサーチし、物を購入する。「モノ消費」よりも「コト消費」を重視する傾向がある。環境問題や社会課題への関心が高く、環境にやさしい商品や、社会的課題の解決に取り組んでいる企業の商品を選ぶ傾向があるなどの特徴がある。この新しい価値観を持つZ世代とどう向き合っていくか、これからのビジネスの最大課題となりそうだ。
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