第2245号「ハロウインの日」がやってくる
2023.11.01
 10月31日、今年もハロウインの日がやってくる。毎年、東京の渋谷に若者が繰り出し、スクランブル交差点を占拠し、ひと騒動が持ち上がる。それをテレビ局が放映するものだから、目立ちたがりの人達によって騒ぎが大きくなり、警察が出動する大騒動に広がる。お隣の韓国では昨年、ソウルの繁華街で、人で密になった狭い通りで159人の若者の命が奪われた。
 さて、今や日本でも代表的な秋を彩るイベントのひとつとなった「ハロウインの日」とはどんなものなのか。イギリスのアイルランドにおける古代ケルト人の祭りが起源とされている。10月31日になると悪霊が人々の住む世界に訪れていたずらをするという宗教的な信仰から、仮装をして身を隠すという風習が生まれた。現在では宗教的な意味合いよりも、季節を祝うひとつの祭りとしてとらえられており、アメリカでは子どもたちが「トリックオアトリート」と言って近隣の住宅を訪ね、お菓子をもらう習慣も定着している。
 このように、ヨーロッパやアメリカで祝われていた祭りだが、1970年頃にはハロウィンは日本に伝わり、西洋で祝っている祭りとして認識する人も増えてきたとされてる。ハロウィンは日本に伝わっても、すぐに多くの人々に知られ、流行するということはなく、大々的にイベントとして開催されたのは、1983年のキディランドハロウィンパレードが初めてとされる。ただし、当時は日本人のハロウィンに対する認知度は低かったため、参加した人の多くは外国の人だったという。
 2000年代になると、お菓子メーカーもハロウィンに参加するようになり、ハロウィンらしいオレンジ色や黒色を使ったカラフルなパッケージや、かぼちゃやお化けのモチーフを用いたものなどが、スーパーやコンビニ、ドン.キホーテなどでたくさん販売されるようになる。当時は仮装の服が売っていないため、自分で作る人も多く、洋装材料店や手芸店で買い求められ、業界も潤った時期もあった。とくに恩恵を受けたのが100円ショップ。9月頃には店頭にハロウィングッズが並んだり、飾りつけをしているところが増え、今も続いている。

 このハロウィン、アメリカやカナダではホームパーティーを開く家庭も多く、「ハロウィン」仕様に家を可愛いらしく装飾するのも人気の楽しみ方の一つとなっている。新しいもの好きでお祭り好きの日本人にとって、今やクリスマスに次ぐイベントに成長したハロウィン。その成り立ちも理解した上で、今年も大いに楽しんでもらいたいものだ。
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