第2208号 がんばれ、平成4年の新入社員
2022.04.15
世の中のさまざまなことがスタートを切る4月がやってきた。大阪では、淀屋橋や本町界隈の昼休み時には初々しいフレッシュマンが闊歩している。清新の空気にひたるために、地下鉄でこの地区に向かう。おじいさんがウロウロするところではないが、何しろ元気をもらえるので、今年も会社近くの大川端の桜吹雪のなか、ビジネス街を歩いてきた。体はすぐにくたびれるが、気持は高揚感に包まれ、春を満喫している。さて、4月といえば新入社員のシーズンでもある。産労総合研究所は恒例の今年の新入社員のタイプを発表した。新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、大学・後半期にさまざまな活動制限を受けた今年の新入社員。インターンシップや就職活動を、対面とオンラインの2つのスタイルで二刀流のようにこなして、入社式を迎えた。しかし、就活中に職場の雰囲気や仕事に関する情報が得にくかったこともあり、入社後は、思い描いていたイメージと実際とのギャップにとまどいそうだ。先輩社員は、これまでの新入社員とは異なる新感覚(オンライン慣れ、対面コミュニケーションの不慣れ、配属・勤務地へのこだわり、SDGsへの興味、タイムパフォーマンス志向等)や未熟にみえる言動を受け止めたうえで温かく交流し、1人ひとりをみつめた育成支援が必要となる。そうすれば、才能が開花し、環境変化にも適応できる「リアル二刀流」になっていくだろうと分析している。
マイナビが実施した2022年卒大学生就職意識調査によると、『やりたい仕事(職種)』よりも『、安定している会社』の方が、企業選択のポイントになっているという。また、先輩社員が新卒社員に最も求めることのランキングをは次のような結果が出た。

1位:コミュニケーション力(19.8%)
2位:協調性(18.1%)
3位:誠実性(17.4%)
4位:ビジネスマナー(14.7%)
5位:主体性(9.6%)
6位:ストレス耐性(9.1%)
7位:実務スキル(7.0%)
8位:スケジュール・タスク管理能力(3.0%)
9位:その他(1.4%)

人生の、そしてサラリーマンの先輩としていえることは、いきなり仕事ができることを企業や先輩は新入社員に求めてはいない。わからないことは素直に聞き、困ったら助けを求めて、間違えたら次に気をつければいい。70点でいいので、とにかく伝えることが大事だと思う。
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第2207号 日本ホビーショーを成功させよう
2022.04.01
3年ぶりの日本ホビーショーの開催が迫ってきた。ビッグサイトでも、もっとも広い東棟に戻っての開催となる。取材の立場だが、その場に立つと心が弾み、スケールに圧倒される。そんな迫力に満ち満ちた特別なイベントでもある。日本ホビー協会によると、今年が43回目の開催という。小欄は、その10回目ぐらいからすべての回を取材してきた。当時、まだホビーという言葉そのものも市民権を得ておらず、言葉としては「手芸、手作り」派が大勢を占めていた。幣紙の紙面でも、頻繁に「ホビー」の文字が登場するのは、さらに10年の歳月を要する。平成元年の新聞を繰ってみた。その年(1989年)の7月15日付1ページ目は、ほぼすべてのスへースを割いて日本ホビーショーのニュースを掲載している。「新・楽・遊」をテーマに繰り広げられた日本ホビーショーには、3日間で15,764人の来場者が会場の浜松町・都市産業貿易センターにつめかけた。出展者は117社(300小間)で、会期初日の業界商談日は小売店を中心に3000人の業者がつめかけたと、報じられている。この動員数は前回を6%上回り、目標動員数には達しなかったものの、まずまずの製菓を上げたと結んでいる。これによって30年前のホビーショーは真夏の7月開催だったこと、百貨店などの催事ではなく、協会主体の運営に切り替わっていたこともわかる。さて、今年の日本ホビーショー。2年のブランクを経て掲げたテーマは「ILoveHandmade!やっぱり手づくりが好き!」。自分の時間を豊かにし、様々な感動を与えるハンドメイドの世界を「新しいカタチ」でお届けします。ハンドメイドのある暮らしは、かけがえのない充実した日々、ハンドメイドに溢れるワクワクした空間のなかハンドメイドを愛する全ての方々と、好きな想いや気持ちを共有しながら新しい発見や魅力的な提案との出会いを楽しむ。それぞれの想いを胸に、とびきりの「好き!」を見つけてみませんか。会長挨拶の中で江原礼子さんは、こう述べている。2度の開催中止に直面した日本ホビーショー。今年、満を持しての開催は、主催者、出展者、来場の大きな期待がひしひしと伝わってくる。開催できなかった2年分の思いを込めて、ハンドメイドを通して人が集うことの楽しさ、あたたかさ、そして優しさを、東京ビッグサイトに集結して届ける。会場の様子や出展者のライブ配信、YouTube公式チャンネル、3Dビュー等については、スマホなどのオンラインでも見るこができる。
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第2206号 日本の伝統行事「ひな祭り」
2022.03.15
このところ、毎日、大阪の朝は寒い。摂氏2度とか3度という日が続いている。先週までは厚手のダッフルコートを着て通勤していた。ところが昼過ぎには15度くらいまで上がる。着るものに困る日々だ。そんななか、世の中は3月3日、うれしいひな祭りを迎えた。桃の節句ともいうこの季節には、女の子のいる家にはひな人形が飾られる。我が家には古いタイプの女性(母とも妻ともいう)がおり、一人いる女の子のために、季節折々の行事はほぼすべて行ってきた。上の2人は男の子で、5月には、家の屋根に鯉幟がひるがえっていた。でも今やこんな行事は年々廃れ、風物詩としてテレビで見るぐらいになってしまった。世の中から取り残される四季折々の家での行事は、日々の暮らしにメリハリをつけるためにも遺しておきたいと思う。さて、ひな祭りとは、女の子のすこやかな成長と健康を願う「桃の節句」の行事である。古代中国の陰陽道では、1・3・5・7・9の奇数が重なる日に、お供えやお祓いをする風習があった。3月3日の上巳、5月5日の端午、7月7日の七夕などがそれに当たる。日本では平安時代に年中行事になり、江戸時代には少し変化して「五節句」という幕府公式の祝祭日になった。当時にしては、わりと大事な祭日で、賑やかなお祭りの雰囲気だったという。節句にはもともと男女の区別はなかったが、菖蒲を「尚武」にかける端午の節句に対し、上巳の節句は優雅な女の子のお祭りとして楽しまれるようになった。節句とは別に、日本の公家には「ひいな(ひな)遊び」という幼い女の子の遊びがあった。この言葉は源氏物語などにもしばしば出ており、人形を使ったままごととして後世に伝わっていく。江戸時代には、嫁入り道具としてひな人形が武家社会に持ち込まれたが、庶民の間にまで広がることはなかった。ところで、雛人形を飾る時期は、立春(節分の翌日、2月5日ごろ)から2月中旬にかけてがよいと言われており、関西では、節分で豆まきをして厄を払ったあとに飾るという流れが多い。これは、桃の節句は春の節句ということもあり、春の訪れを告げる立春がひとつのベストタイミングだからといえる。ひな祭りに代表される、家のなかでの年中行事は年々姿を消しつつあり、替わってバレンタインデーなどが若い人達に広がり、すっかり様変わりしてしまったが、日本人が日本人たる由縁の伝統行事は残ってほしいし、長く後世に伝わってほしいと願う。
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