第2311号 時代とともに変わる「七夕」の願い事
2026.07.15
 本日(7月7日)は七夕祭りの日である。会社近くの日本一長い天神橋筋商店街南側からの入口には、高さ2メートルはあろうかという笹飾りが鎮座している。七夕は、よく知られている織姫と彦星の話が元になった節句で、5節句の一つでもある。竹や笹の葉に、願い事を書いた短冊を結ぶ人も多い。地域によっては、七夕が終わると竹や笹を川に流すところも多い。
 今年はどんなことが書かれているのか。じっくりと観察した。「健康」、「夢」、「安全」がベスト3になっており、やはり、健康を願う人が圧倒的に多い。小学生は「サッカーがもっと上手くなりたい」「良い中学校に入りたい」「水泳が上達したい」など身近なところでの願い事が上位を占める。ひと昔前はプロ野球選手、会社社長、お医者さん、歌手など、望みを高く持っていた。今は頑張れば手が届く願いごとが増えた。
 さて、七夕に戻る。七夕は五節句のひとつで、その名の通り5つの季節の節目を指す。具体的には、正月、ひな祭り、こどもの日、七夕、お月見の5つ。
◇人日(じんじつ)の節句:1月7日
◇上巳(じょうみ)の節句:3月3日
◇端午(たんご)の節句:5月5日
◇七夕(たなばた)の節句:7月7日
◇重陽(ちょうよう)の節句:9月9日
 七夕の節句は、織姫と彦星の伝説で、天空の主である天帝の娘で、機織りの名人だった織女は、牛飼いの牽牛と結婚した。しかし結婚後、働き者だった2人は仕事をしなくなり、それに怒った天帝は2人を天の川の両岸に引き離す。悲しみに暮れる織女を不憫に思った天帝は、年に一度だけ2人を合わせるように計らった、というのが伝説のあらすじである。
 織姫(織女)は、こと座の一等星「ベガ」、彦星(牽牛)はわし座の一等星「アルタイル」という星にあたる。旧暦7月ごろは、天の川とベガ・アルタイルが夜空に見えやすい季節。こうした星空の見え方が、伝説と結び付いて語られるようになったとされている。
 この七夕に、短冊に願いを書いて飾る風習には、中国の『乞巧奠(きこうでん)』の影響があるともいわれている。乞巧奠とは、祭壇に針などを供えて星に祈りを捧げ、織姫にあやかり「機織りが上達するように」と願う中国の風習のこと。当初は機織りの向上を願うものだっが、徐々に手芸や詩といった芸術全般の上達を願う意味が含まれるようになった。私達の業界とも関係が深い「七夕」。今年はくっきりと見ることができた。
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第2310号 世相を切り取る「サラリーマン川柳」
2026.07.01
 日本列島に6月がやって来た。本格的な雨の季節である「梅雨」を迎え、1年の中でも数少ない祝日のない月でもある。さらに6月は「衣替え」や「夏至」などの伝統的な節目や行事があり、この時期に旬を迎える青梅を使った「梅仕事」や前半の穢れを祓う「夏越の祓」などの行事も行われる。6月1日は衣服を夏服へと替える衣替えの日にあたり、白いシャツ姿が一気に目立つ時期でもあった。入梅から父の日(6月の第3日曜日)を経て夏至に至る、1年の中で最も昼の時間が長く、夜が短い日となり、太陽のエネルギーが最も高まる日ともされている。
 そして、毎年この時期になると、楽しみなサラリーマン川柳が発表される。第一生命保険株式会社は、今年も『サラっと一句!わたしの川柳コンクール』を実施した。全国から54000句もの作品が寄せら れ、 4 万名のサラリーマン川柳ファンの投票により、全国優秀 100 句を選んで全国ベスト 10 が決 定した。
 最近では、 財布を持ち歩かなくても支払いができる便利なスマートフォン決済によるキャッシュレス化が年々進み、現金非対応のお店も登場したことで、今や現金を持ち歩かない人も増えた。そんな時、会計時にもし充電が切れてしまったら?知人 に SOS しようにも、連絡先もすべてスマートフォンの中。まさかの無一文状態に冷汗がタラリ。そんな実体験がある人は もちろん、「明日は我が身」とドキッとした人まで、世代を問わず共感を集めた句が、見事に第 1 位を獲得した。
 また、デジタル化が進む現代ならではの「パスワード忘れ」といった身近にあることに加え、長引く物価高と向き合う 生活実感をユーモラスに表現した作品など、2025 年の世相を映す句が上位にランクインした。
〈ベスト10作品〉
1. キャッシュレス 充電無くなり 無一文
2. パスワード 記録したけど 記憶なし
3. ミャクミャクと 続く気配の 物価高
4. 物価高 妻の財布に 逆らえず
5. ポチッたの 届いた頃には 忘れてる
6. デコピンは きっと俺より 高い飯
7. 無人レジ マゴマゴしてたら 店員呼ぶ
8. 増えたのは アプリとパスワードと 覚える数
9. セルフレジ タッチパネルで 店主呼ぶ
10. 会話より スマホの画面 見つめる夜
 世相やデジタル化への戸惑い、物価高をユーモラスに表現した句が多くランクインした。買い物など日常で進むデジタル化や物価高への困惑をユーモラスに表現した作品が並んだ。
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第2309号「商店街」の復活を願う
2026.06.15
 わが新聞社は、大阪・北区の天神橋にあり、事務所近くを堂島川が流れ、3分ほど歩くと大阪天満宮がある。そして日本一長いと言われる天神橋筋商店街の南の起点にあたる場所でもある。この商店街には日々お世話になっている。ありとあらゆる店があり、飲食も含め暮らしに必要な物は何でも揃う。
 そんな商店街だが、近年はスーパーやショッピングモールに押され、どんどんお客が減っているという。商都と言われるだけあって、大阪府内には、なんと950以上の商店街があり、大阪三大商店街モとして知られる千林商店街・天神橋筋商店街・駒川商店街といった有名な商店街はもちろん、それ以外にも地元の人たちに愛される魅力あふれる商店街がたくさん存在する。そして、日本全国には13、000もの商店街があると言われている。
 そんな中、天神橋筋商店街は、南の天神橋を起点として北は天神橋筋七丁目まで伸びる、全長約2・6㎞の商店街。長さは日本一といわれ、歩くには大人の足で40分かかる。北の商店街入口上部には、お迎え人形が飾られており、アーケードへ一歩踏み入れると、昔ながらの大衆食堂、惣菜屋、刀鍛冶の刃物屋、明治元年創業のお茶屋、豆腐、コロッケ、陶器、着物に至るまで、およそ800店舗が連なっている。
 もともと天神橋筋商店街は、大阪天満宮の門前町として発展してきた商店街で、大阪三大市場の一つの天満青物市場も近くにあったことから、庶民の盛り場として、長年にわたり大阪きっての賑わいを見せてきた。
 江戸時代、二丁目にある学問の神様・菅原道真を祀る「大阪天満宮」の門前町として栄えたのが始まりで、明治時代に入ってからは、現在のような商店街として発展してきた。六丁目にある「住まいのミュージアム 大阪くらしの今昔館」では、江戸時代から明治・大正・昭和のこの町の様子が再現されている。毎年7月24・25日の「天神祭」には、地元の神輿などがここを練り歩き、露店や見世物などで活気に溢れる街となる。
 数年前の調査だが、中小企業庁によると、商店街の現状を「衰退」としたのが約67%で、「繁栄」と回答しているのが5%にも満たなかったという。
中でも、大型店の進出が、中心商店街の衰退を加速させ、「経営者の高齢化による後継者問題」「店舗等の老朽化」「集客力が高い・話題性のある店舗・業種が少ない」「商圏人口の減少」「空き店舗の増加」が衰退の理由として挙げられている。心の通う買い物ができる商店街の復活を心から願う。
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