第2224号 「当たり前」のことができる日本人を称賛
2022.01.15
令和4年もあと3週間、世界も日本も比較的平穏な1年だった。そんな中でも年明けから、さまざまな出来事がテレビ、新聞を賑わせた。2022年重大ニュースとして挙げられるのが、ロシアのウクライナ侵攻や冬季オリンピック・パラリンピック、成人年齢の引き下げ、参議院議員選挙、異常気象等、さまざまなニュースが世界や日本を駆け巡った。小欄にとって一番ショックだったのが、奈良市の近鉄・大和西大寺駅付近で、元内閣総理大臣の安倍晋三氏が凶弾に倒れ、命を失ったことだ。未成熟な国家ならまだしも、安定した平和な法治国家での凶行であり、その報に接した時、俄かには信じることができなかった。応援演説中に、背後から銃撃を受けたもので、狙撃した人物は殺人未遂罪で奈良県警察に現行犯逮捕された。安倍氏は心肺停止の状態で奈良県立医科大学附属病院に搬送されたが、病院で死亡が確認された。背後に政治の影も見当たらず、いまだ事件の真相はわかっていない。
さて、12月12日に、令和4年の一年の世相を表す【今年の漢字】に「戦」が選ばれた。京都市東山区の清水寺において日本漢字能力検定協会が発表した。「今年の漢字」は1995年に始まり、今年で28回目。師走の恒例イベントとなっている。ちなみに過去7年では◇2021年「金」◇2020年「密」◇2019年「令」◇2018年「災」◇2017年「北」◇2016年「金」▽2015年「安」となっている。
ところで、今、日本中の人々を熱狂させているカタールでのワールドカップ・サッカー大会。下馬評では決勝トーナメント進出すら危ういと見られていた日本チームだったが、12月1日に行なわれたスペインとのグループE最終戦で2対1の逆転勝利を収めた。夕方のニュース番組でスタジアムが映し出され、ピッチ上での激闘に加え、世界中に配信されたある光景が話題を呼んでいる。スペインと日本の試合で、終了を告げる笛とともに会場の日本サポーターは歓喜に満ち溢れていたが、すぐに切り替えてスタンドに落ちているゴミを次々と拾い上げゴミ袋に入れていったのだ。現地の女性レポーターがその行為について訊ねると、若い日本人男性が「当たり前」のことと答えた。
「当たり前」という言葉を紐解くと、「誰がどう考えてもそうあるべきだと思うこと、当然なこと」という意味で使われる。「今回のワールドカップで日本が一番魅力的だ。フィールドの内外問わず、日本のファンは興味深く尊敬に値する。試合後はスタジアムを綺麗に掃除する」と発信され、やって「当たり前」のことを「当たり前」にできる日本人の素晴らしさが世界に発信されている。
さて、12月12日に、令和4年の一年の世相を表す【今年の漢字】に「戦」が選ばれた。京都市東山区の清水寺において日本漢字能力検定協会が発表した。「今年の漢字」は1995年に始まり、今年で28回目。師走の恒例イベントとなっている。ちなみに過去7年では◇2021年「金」◇2020年「密」◇2019年「令」◇2018年「災」◇2017年「北」◇2016年「金」▽2015年「安」となっている。
ところで、今、日本中の人々を熱狂させているカタールでのワールドカップ・サッカー大会。下馬評では決勝トーナメント進出すら危ういと見られていた日本チームだったが、12月1日に行なわれたスペインとのグループE最終戦で2対1の逆転勝利を収めた。夕方のニュース番組でスタジアムが映し出され、ピッチ上での激闘に加え、世界中に配信されたある光景が話題を呼んでいる。スペインと日本の試合で、終了を告げる笛とともに会場の日本サポーターは歓喜に満ち溢れていたが、すぐに切り替えてスタンドに落ちているゴミを次々と拾い上げゴミ袋に入れていったのだ。現地の女性レポーターがその行為について訊ねると、若い日本人男性が「当たり前」のことと答えた。
「当たり前」という言葉を紐解くと、「誰がどう考えてもそうあるべきだと思うこと、当然なこと」という意味で使われる。「今回のワールドカップで日本が一番魅力的だ。フィールドの内外問わず、日本のファンは興味深く尊敬に値する。試合後はスタジアムを綺麗に掃除する」と発信され、やって「当たり前」のことを「当たり前」にできる日本人の素晴らしさが世界に発信されている。
第2202号 新たな社会への対応が要求される1年に
2022.01.15
今年の元旦は家から一歩も出ることなく、訪れてきた長男一家と過ごした。例年なら、近くの氏神さんにお詣りしてからお屠蘇とお節料理をいただいて新年を祝うが、まだくすぶっているコロナ禍もあって、静かにじっと三が日を送った。しかし退屈はしない。「箱根駅伝」があるからだ。2日と3日の午前中はあっという間に時間が過ぎる。ただ走っているだけの画像が延々と流れるだけ。何が面白いのか、自分でも判然としない。人類が初めて生み出したスポーツが徒競走だと思う。以来、何百年も全く変わることなく速さを競ってきた。その間変わったことと言えば、裸足から靴を履きだしたことくらい。まさにあらゆる競技の原点なのだ。その駅伝は、正式には「東京箱根間往復大学駅伝」という。関東の大学対抗で競う「箱根駅伝」は往路と復路のレースが2日間にわたって行われ、テレビに写し出される、その走る様子をひたすら眺めるのだ。今年は青山学院大が大会新記録で2年ぶり6回目の総合優勝を果たした。さて、今年は暦の関係もあって、4日から本格的に世の中が動き始めた。コロナウイルスの感染拡大から既に2年が経過しようとしているが、いまだ終息が見えておらず、まだまだこの闘いは継続しそうな状況下での年明けとなった。そんな中、コロナウイルスは次々と変異し、増殖し続けている。昨年はデルタ株が猛威を振るい、そして昨今はオミクロン株の感染が驚異的なスピードで拡大している。コロナ禍が始まった当初は、コロナが終息すれば、元の社会に戻るという声もあったが、この2年間で変化の連鎖は止まることなく、もうコロナ前の社会に戻ることは想定しづらい状況に立ち至っている。今では、人々の行動制限が長期化したこともあり、オンライン会議やテレワーク等、人々が移動することなく仕事ができるといった、新たな生活様式へ変化してきた。お家時間が長期化することで、人々が関わるあらゆる部分にコロナ禍が大きな影響を与えている。一方で、様々な変化が起きる中、コロナ禍によって、デジタル技術が広く利用されるようになった。その進化のスピードが加速したことは大きな進歩であると言える。デジタル技術が家やオフィス、医療、行政システム等を変化させ、ウィズコロナの社会を大きく動かしている。今後コロナが終息しても、コロナによって出現した新たな社会や環境への対応が要求される。新しい年は未体験の領域へのチャレンジの年になりそうだ。