第2202号 新たな社会への対応が要求される1年に
2022.01.15
今年の元旦は家から一歩も出ることなく、訪れてきた長男一家と過ごした。例年なら、近くの氏神さんにお詣りしてからお屠蘇とお節料理をいただいて新年を祝うが、まだくすぶっているコロナ禍もあって、静かにじっと三が日を送った。しかし退屈はしない。「箱根駅伝」があるからだ。2日と3日の午前中はあっという間に時間が過ぎる。ただ走っているだけの画像が延々と流れるだけ。何が面白いのか、自分でも判然としない。人類が初めて生み出したスポーツが徒競走だと思う。以来、何百年も全く変わることなく速さを競ってきた。その間変わったことと言えば、裸足から靴を履きだしたことくらい。まさにあらゆる競技の原点なのだ。その駅伝は、正式には「東京箱根間往復大学駅伝」という。関東の大学対抗で競う「箱根駅伝」は往路と復路のレースが2日間にわたって行われ、テレビに写し出される、その走る様子をひたすら眺めるのだ。今年は青山学院大が大会新記録で2年ぶり6回目の総合優勝を果たした。さて、今年は暦の関係もあって、4日から本格的に世の中が動き始めた。コロナウイルスの感染拡大から既に2年が経過しようとしているが、いまだ終息が見えておらず、まだまだこの闘いは継続しそうな状況下での年明けとなった。そんな中、コロナウイルスは次々と変異し、増殖し続けている。昨年はデルタ株が猛威を振るい、そして昨今はオミクロン株の感染が驚異的なスピードで拡大している。コロナ禍が始まった当初は、コロナが終息すれば、元の社会に戻るという声もあったが、この2年間で変化の連鎖は止まることなく、もうコロナ前の社会に戻ることは想定しづらい状況に立ち至っている。今では、人々の行動制限が長期化したこともあり、オンライン会議やテレワーク等、人々が移動することなく仕事ができるといった、新たな生活様式へ変化してきた。お家時間が長期化することで、人々が関わるあらゆる部分にコロナ禍が大きな影響を与えている。一方で、様々な変化が起きる中、コロナ禍によって、デジタル技術が広く利用されるようになった。その進化のスピードが加速したことは大きな進歩であると言える。デジタル技術が家やオフィス、医療、行政システム等を変化させ、ウィズコロナの社会を大きく動かしている。今後コロナが終息しても、コロナによって出現した新たな社会や環境への対応が要求される。新しい年は未体験の領域へのチャレンジの年になりそうだ。