第2266号 コロナ禍はまだ終わっていない
2024.09.01
 連日猛暑が続いている。仕事場と家をひたすら往復する毎日が続いている。外部との接触は地下鉄2駅間の車内のみ。テレビを見ないので、世の中と隔絶した浦島太郎みたいな暮らしが続く。それはそれでいいもので、心穏やかな日々を楽しんでいる。そういえば他人と接しなくなった。会社の人以外はコンビニのアルバイトの子と食堂のおばさんくらいだ。とくにコロナ禍が始まって以降極端に人と接しなくなってしまった。
 そのコロナ禍、大阪ではまだコロナ関連の患者は増え続けているという。現代医学を持ってしても歯が立たないのである。手強い相手なのである。ここで日本におけるコロナ禍のおさらいをしてみよう。2023年5月に新型コロナウイルスが5類に移行してから1年。今年のゴールデンウィークは全国的に人であふれ、コロナ禍以前の景色が完全に戻った印象だ。しかし、どうしてもモヤモヤが残る。世間的にはコロナ禍は終わったように思われているが。日本も世界も、まだ感染の最中なのである。
 あのコロナ禍の日々から、日本社会も普通の日常を取り戻している。厳しい感染対策や行動制限がなくなり、暫定的に続いていた、ワクチン無償接種や高価なコロナ治療薬への補助も今年3月いっぱいで終了。最近ではメディアも含めて誰もコロナの話はほとんど話題にしていないような気もする。コロナ禍であれほど猛威を振るったコロナウイルスはいったいどこに行ったのか。 ある大学教授は言う。「新型コロナウイルスが世の中からいなくなったわけではありません。それどころか、実際には今でも多くのコロナ感染者がいるのです」と。5類に移行してから、日本ではそれまでのような感染者の全数調査が行われなくなり、そのため、現在は国が指定した一部医療機関の受診者を対象とした定点把握をもとに、おおよその感染者数を推計するしかない状況下に置かれている。
 その定点把握のデータを見ると、現在は感染者数が減少傾向にはあるが、今年1月末から2月にかけて、それなりに大きなコロナ感染の波が来ていた。そこで、今年に入ってから最も死亡に影響を与えたとして新型コロナ感染が記載された人の数に注目すると、今年2月には3000人を超える人がコロナ関連死で亡くなっている。
 この状況下で「コロナ禍以前の生活状態に戻った」と考える人は34%で、依然として3分の2程度の人はコロナ禍以前には戻っていないと考えているのだ。
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