第2239号 今年も「天神祭」がやってきた
2023.08.01
 今年の大阪の夏は暑い。連日33度を超えている。こんな環境下でも何の変わりもなく、普通に働いている国は日本くらいだろう。日本には四季があり、世界の中で温帯地方に属するとされるが、夏だけをとってみれば立派に熱帯地方だと思う。昨日、普段通りに会社で仕事をしていたら、一本、道路を隔てた天神橋筋商店街には、お神輿が練り歩き、元気な女の子が傘踊りで先導する。船渡御の前には、催太鼓で始まる神輿の大行列、陸渡御が祭りを盛り上げる。船渡御中に打ち上げられる奉納花火も華やか。さらに、ミス天神橋らが参加する天神祭ギャルみこしは、天神橋筋商店街の風物詩となっている。コロナ渦を経て4年ぶりの天神祭が始まったのだ。祇園祭の雅びな雰囲気と違って、とても賑やかでいかにも大阪らしい。7月25日の船渡御の前には、催太鼓で始まる神輿の大行列、陸渡御があり、船渡御の最中に打ち上げられる奉納花火も華やかで、今年は130万人が大川周辺を埋め尽くしたという。
 日本人が愛してやまないお祭り。ウィキペディアによると、「まつり」という言葉は「祀る」の名詞形で、本来は神を祀ること、またはその儀式を指すものである。この意味では、個人がそういった儀式に参加することも「まつり」であり、現在でも地鎮祭、祈願祭などの祭がそれにあたる。日本は古代において、祭祀を司る者と政治を司る者が一致した祭政一致の体制であったため、政治のことを政(まつりごと)とも呼ぶ。
 大阪天満宮の「天神祭」は、日本を代表する祭りの1つで、新型コロナウイルスの影響により一部の行事の中止や規模の縮小を余儀なくされていたが、ことしは4年ぶりに通常の規模で行われることになり、24日に開幕した。25日の本宮の夜は、大川に多くの船が行き交う船渡御が行われ、奉納花火があがった。 大川に映る篝火や提灯灯り、花火などの華麗な姿より火と水の祭典とも呼ばれている。他に鉾流神事、陸渡御などの神事が行われた。 24日の宵宮(宵宮祭・鉾流神事・催太鼓・獅子舞氏地巡行)、25日本宮(本宮祭・神霊移御・陸渡御・船渡御・奉納花火)へと続く。
 この天神祭には幾多の変遷があり、その存続が危ぶまれた時期もあったが、そのたびに困難を打開し、伝統を守り、盛り上げていったのは浪速っ子の土性骨と心意気によるものといえる。祭りには人々の心をひとつにする「何か」が存在し、それが1000年以上も続く源となり、天神祭は今も、そうした人々の熱いエネルギーに支えられ発展している。これからも長く続いていくことを願っている。
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