第2269号 令和の「米騒動」を考える
2024.10.15
今日(10月6日)も、日本一長い天神橋筋商店街は歩くのもままならないほど人で溢れ返っている。その大半は、韓国、台湾、香港などのアジアからやってきた旅行客で、家族連れと思しき人達が大声で喋りながら闊歩している。国策で訪日を制限している中国からの人達がいなくてこの有り様なのだ。小欄が行きつけの小さな喫茶店まで数人連れで入ってくる。店内はとてもざわついて、静かに新聞を読みながらコーヒーを飲む雰囲気ではない。この訪日ブーム、いつまで続くのだろうと思ってしまう。
そんな中の8月、とんでもない事態が起きた。店頭から米が消えたというのだ。令和6年8月現在、新聞やテレビで米が無い、と騒がれている。実際にスーパーの店頭に足を運ぶと多くのスーパーで米売場の商品が無くなり、「入荷予定なし」などの記載が見られた。現在、流通しているのは主に令和5年産の米である。9月から10月にその年の新米が出るため、8月は前年産米の在庫を消化するタイミングであり、米の在庫量は少なくなる傾向にあるが、それでも小売店頭から米が無くなることは珍しい。なぜ、令和5年産米は店頭から消えたのか。令和5年は、米に関していえば「異常」な年であった。日本で一番、米の生産量が多い都道府県である新潟県の米の1等米比率が例年は80%程度であるのに対し、コシヒカリ 、うるち米全体で過去最低を記録した。令和5年産米は、新潟を筆頭に全国で1等米比率が低い結果となった。
その要因は、記録的な夏の暑さによる高温障害といわれている。高温障害が発生すると米が白くなってしまい、等級が下がる要因となる。出穂後に台風などの影響でフェーン現象が重なったことで高温障害が発生したほか、新潟においては8月の降水量が少なく、水不足が追い打ちをかけたといわれている。
農水省による米の作況指数は101であったことから、等級は低いものの米の量は確保できたと考えられたが、令和5年産米の場合、高温障害の影響からか精米したときに割れが発生するなどの要因で、精米の歩留まりが非常に悪かったといわれている。そのため、精米歩留りを考慮すると実際の作況は100を切っているものと思われる。
高温障害による米の品質低下と、それによる精米歩留りの悪化によって、令和5年は「隠れた米の不作の年」であったといえる。とくに最近は、お米はあって当然と思われてきた。当たり前と思っていたことが、実はそのことに携っている人達のたゆまぬ努力の賜物でもあったのだ。
そんな中の8月、とんでもない事態が起きた。店頭から米が消えたというのだ。令和6年8月現在、新聞やテレビで米が無い、と騒がれている。実際にスーパーの店頭に足を運ぶと多くのスーパーで米売場の商品が無くなり、「入荷予定なし」などの記載が見られた。現在、流通しているのは主に令和5年産の米である。9月から10月にその年の新米が出るため、8月は前年産米の在庫を消化するタイミングであり、米の在庫量は少なくなる傾向にあるが、それでも小売店頭から米が無くなることは珍しい。なぜ、令和5年産米は店頭から消えたのか。令和5年は、米に関していえば「異常」な年であった。日本で一番、米の生産量が多い都道府県である新潟県の米の1等米比率が例年は80%程度であるのに対し、コシヒカリ 、うるち米全体で過去最低を記録した。令和5年産米は、新潟を筆頭に全国で1等米比率が低い結果となった。
その要因は、記録的な夏の暑さによる高温障害といわれている。高温障害が発生すると米が白くなってしまい、等級が下がる要因となる。出穂後に台風などの影響でフェーン現象が重なったことで高温障害が発生したほか、新潟においては8月の降水量が少なく、水不足が追い打ちをかけたといわれている。
農水省による米の作況指数は101であったことから、等級は低いものの米の量は確保できたと考えられたが、令和5年産米の場合、高温障害の影響からか精米したときに割れが発生するなどの要因で、精米の歩留まりが非常に悪かったといわれている。そのため、精米歩留りを考慮すると実際の作況は100を切っているものと思われる。
高温障害による米の品質低下と、それによる精米歩留りの悪化によって、令和5年は「隠れた米の不作の年」であったといえる。とくに最近は、お米はあって当然と思われてきた。当たり前と思っていたことが、実はそのことに携っている人達のたゆまぬ努力の賜物でもあったのだ。