第2242号 イベントこそ業界のパワーの源だ
2023.09.15
 コロナ禍の影響で2020年、2021年と2年間あらゆるイベントの開催が見送られてきた。昨年に入って、各地で続々と再開の動きが出始め、4月末にビッグイベント「日本ホビーショー」も開催されたが、時間制による入場制限もあって、コロナ前とは程遠い、盛り上がりに欠けるイベントとなった。
 その後のイベントはリアルでの開催、オンラインによる開催、リアルとオンライン2本立てでの開催の3通りで行われてきた。その中でも、オフィスや自宅にいながらオンライン上で展示会や見本市に参加できる「オンライン展示会」の存在が大きくクローズアップされた。さまざまなイベントが軒並み延期・中止になっている今、これまでBtoBでの商談に欠かせなかった展示会での対面商談も「オンライン」へとシフトした。しかし、展示会はあくまでリアルであってほしい。直接手にふれて、目で確かめてこそ価値のある展示会と思う。
 10月に東京と大阪で行われるYKKファスニングクリエーションでは、オンライン展においては、商品の魅力をYKK社員が動画で伝える。リアル展では実際に商品に触れることでこだわりのポイントを体験してもらう。このオンライン展示会は登録不要で自由に閲覧できる。
 東京会場では学生対象のファッションデザインコンテスト「YKKファスニングアワード」の入選作品を披露するファッションショーが行われる。YKKの研究開発部門であるテクノロジー・イノベーションセンターの取り組み=アパレル産業における持続可能な社会の実現に向け、これまで廃棄されていたファスニング商品を回収し、新たな「資源」として循環・リサイクルさせるクローズドループの実現へ向けた取り組みを紹介する。
 昨年9月、OSAKA手づくりフエアが3年ぶりに開かれた。この日を待ち望んでいた人達が会場に溢れ、出展者の応対にも熱がこもった。久しぶりの光景が眼前に広がる。出かける手間が省け、オンラインでさまざまの新しい情報が手に入る時代とはいえ、やはり、リアルに勝る展示会はない。とくに、楽しそうな人達を目の辺りにすると、取材を忘れて気持が高ぶる。今回のOSAKA手づくりフェアには、まさに出展者、来場者が一体となった光景が繰り広げられた。
 この会場の雰囲気が実際の「売りの場」につながってほしいと切に願う。これから本格化する手づくりの秋が実りあるシーズンになってほしいものだ。
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